生は死と表裏一体だと断ずるのは待ってください。
ひとまずこの映画を見て心落ち着かせてください。
以下ネタバレあり。
病に冒され、
余命いくばくもないと宣告されたふたりの女性。
片やしがない専業主婦、
片や一大ホテルグループの富豪社長。
とあるきっかけから心通わすようになったふたりは、
ある少女の「死ぬまでにやりたいことリスト」
を偶然目にして実行に移します。
スカイダイビング、
エジプト旅行、
ももクロライブ、
長崎、京都、
それらはきっかけに過ぎません。
その中に散りばめられた、
人と人とのささやかなつながりを、
あらためてつなぎ合わせた、
その過程を見ないことには、
この映画の真意を見誤ります。
最高の人生に解などなく、
他者との触れ合いによってつむぎ出される、
思い出される、
あるいは再構築される関係性に着目してください。
それらは家族との関係も含みますが、
この映画での主題は、
あくまでも主婦と社長という境遇の違うふたりの、
心のふれあいがお互いを満たしてゆく、
そのようなことだと思います。
「あの家で死にたくないんです」
とのサチエさんのセリフが耳に残りました。
サチエさんは、
ウェディングドレスを着たかったけど、
姑の意向によりできなかった、
と吐露します。
墓参りのシーンで、
サチエさんはカトリックだとわかります。
どんな困難も試練として耐えていたのでしょう。
疲弊しても自失しそうになったとはいえ、
とても頑張ったと、
この映画を見た人がおしなべて、
そう声をかけられる空気になってほしいと切に思います。
このままでは死ぬに死ねないんです。
それを俺の心の叫びとしてここに記します。