救急搬送されたみなさんはその後如何お過ごしですか。
早くに快復されることを願ってやみません。
メディアが指摘しない点を踏まえて、
あのような事故を再発しないための論考をお許しください。
まず、あの大型車です。
通常のルートを外れていたとの報道もあります。
とはいえどう見てもあの一方通行路は大型車の通る道ではありません。
踏切側への右折は左折より難しくなさそうなので、
ドライバーの判断としては同情の余地があります。
ただ後輪が角を擦らないためには、
前輪を踏切路の縁までせり出さなければなりませんし、
下手をすると前輪が脱輪します。
大型一種免許を持っている者としては、
大型車が安全に通過できるドライブプランが設定されていないのなら、
あからさまな難色を示します。
ここで事故の当事者になってしまったドライバーは、
67才とのことでした。
その歳に達したからこその経験値がいかされなかったのは、
たとえばナビゲーションというハイテクに慣れてなかったとか、
運転適性を満たしていなかったといった見方もできます。
それほど運輸業界は人不足なのだとしても、
一億総活躍の掛け声がこの帰結だとしたら、
アベくんの政策は駄策だったという側面から、
政府は検証すべきです。
さらに京急に言及します。
たとえばJRは高速路線の踏切を無くすよう進めています。
京急の、
時速およそ120kmで踏切を通過させるダイヤに、
安全対策が万全だったとは言い切れない面があります。
並走するJRと競合するゆえ、
優位を得ようと高速走行させたことに異論はありません。
ただ、
踏切があるからにはこういった事故も予測できたと思います。
おそらく京急は、
速達追求の弊害について国交省から指導と警告を受けると想像します。
世論では京急とその利用者が、
被害者として扱われていますが、
利用者はともかくとして京急の鉄道事業者としての信頼喪失は、
被害者としてではだけでは済まない、
責任を問われることとなるはずです。
今夏は奇しくも、
横浜市内で重大な鉄道事故が続きました。
他山の石としない検証と再発防止策を、
早急に推し進めてもらいたいと思います。
普段から京急を利用している人々の心中をお察しします。
従前どおりの生活が戻るかどうかは別として、
速達と安全のどちらを求めるのか選択せねばならないかもしれません。
ここで一度見直したいのは、
今までなら普通だった、
個人が意識してきた倫理観によって担保されていた安全が、
崩れようとしていることです。
多忙、人手不足、熟練するまでのサポートの薄弱、
そのような現代社会の落とし穴は、
これだけでは終わらない気がします。