…つづき
まさに認知症でした。
身の回りのことを何とか出来たのは1年あまり。
その後は虚言や被害妄想がひどくなり、
手に負えなくなってデイサービスを頼ることとなりました。
難聴に白内障を患っていたので、外からの情報は無かったに等しいと思います。
なのでデイサービスのプログラム、歌うとか、絵を描くとかは苦痛だったようでした。
何かにつけて不満をぶちまけていました。
糖尿病から併発する白内障の手術を受けたのはおよそ20年前でした。
あの頃はぼけるなど予想もしなかったのです。
病室を見舞うと、同室の中年女性から、
こんな立派な息子さんに恵まれて幸せね。
と言われていました。
そのときのおもはゆい気持ちは今思い出しても背筋が寒くなります。
視力を失う前までは読書を好んでいたのに、その読書もあきらめるしかないことに葛藤していました。
糖尿を患った理由はおそらく以下の理由だと思います。
幼青少年期にほかの者がおいしいものを食べていても彼女にはあたえられなかった、
そしてそれを元に戻すかのように
常に飴を舐めたことです。
いまさら気づいてもどうしようもないし、これが彼女の業だったんだと思います。
ここで母の死は区切ります。