ある日本人留学生 ケース 1
海外に住んでると日本にいるよりずっと幅広く色々なタイプの日本人と交際できます。人口の過半数が移民の町トロントで同国人と出会うことって結構あります。でもって、日本人という共通項だけで普通の知り合いよりすこ~し近しい関係になれます。あくまで少しですけどね。
ようするに、普通だったら趣味が一緒とか、倶楽部が一緒とか、そういうきっかけがないと知らない人と話なんかしないけど、とりあえず日本人同士だとその辺はスキップできるんです。その代わり話し始めて「うっ、かなり気が合わないかも。」とか、「考えてることが宇宙人なみに理解できない。」という人と知人になってしまうこともある。もちろん、逆に日本にいたら絶対出会えなかったはずのかけがえのない友人も出来ます。
でも宇宙人の方がインパクトは強い。例えば、、、
A君20歳。語学留学で6ヶ月滞在予定。彼は英語が全然しゃべれなかった。でも、夢は大きく、カイロプラクターになるために学校に行きたいとおっしゃった。いいんですよ、それは。でも、その続きとして、「楽して、お金もかけず、奨学金かなんかで行きたいっすねえ。そういう学校ないっすか?」はないでしょう。恐る恐る、「大学の学位があって初めてカイロの学校に入学資格が出来るんだけど知ってるよねえ。」と聞くと、「えっ!なんでですか。不公平じゃないっすか。英語出来ないのに!大体俺日本人っすよ。それにじいちゃん指圧師だし。普通のカナダ人より出来るに決まってるじゃないっすか。」
もう私はただただ見つめてしまった。カイロプラクターという職業がなんであるかも知らずになんとなく出来ると思っている様子。いや、出来るかもしれないですよ。世の中何があるかわからないから。でも4年生大学出て、特別なカイロプラクティングスクールいって(医学部なみにむずかしい)、国から免許もらって、っていう手順。これはどんな奇跡が起きようと変わらない。その手順を不公平だという彼は一体誰?
この彼には続きの話があります。この人ストリートキッズの落書きアーティストと知り合って、どこかで一緒に泥酔して、その後自分だってグラフィティーが描けると、帰りの地下鉄の窓にスクラッチ手法でなんかを描いていて、警備員に注意され、逆上。激しく抵抗したため警察が呼ばれ、留置場ご宿泊。保釈金を払い出所。ホームステイを追い出され、次のステイ先ではホストを「火をつけてやる。」と脅しまた警察沙汰。
カナダに何しにきたんだろう、、、と思ったら日本で問題がありすぎて親が送り出したらしい。う~ん。カナダじゃないとこ送って欲しかった。できれば離れ小島とか、南極とか。で、この話で一番鳥肌立ったのは、彼の両親がカナダに「可愛い息子」をサポートしに来て、父は高校教師、母は児童カウンセラーと分かった時。おまけに二人とも典型的な「うちの子は悪くないんです。可愛そうに、言葉も通じない外国でひどい目にあわされて、、、。」っていう両親。
うん、日本に住んでたらこういう人達とは決して交わってなかったでしょう。貴重な体験をした。