$アルバレスのブログ

本日10/13(土)に行ってきました。

指揮)ティエリー・フィッシャー
ピアノ)エフゲニー・スドビン ②③④
演奏)名古屋フィルハーモニー交響楽団
曲目)
①マスネ:組曲第6番「おとぎの国の風景」
②ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調作品1
アンコール)③スカルラッティ:ソナタ ト短調
アンコール)④スカルラッティ:ソナタ ト短調 K.455
⑤ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調作品93


指揮はかつての常任指揮者のフィッシャー氏。
今は名誉客演指揮者と言う肩書で年1回くらい名フィルを指揮しています。
わたしはフィッシャー氏が常任指揮者だった後半あたりから名フィルを聴きに行くようになったので、それほど多くの指揮を聴いているわけではありませんが、それでもおかえりと言う気になります。


今回のプログラムは前回に引き続き比較的メジャーな曲目。


ただ、1曲目のマスネの組曲第6番「おとぎの国の風景」は初めて。
そもそもマスネ自体、あまり聴かない作曲家。
せいぜい有名な「タイスの瞑想曲」くらいですね。
この組曲は全4曲。
第1曲「行列」はオケの右翼、左翼、後陣をうまく使い分け立体的な音響が聴ける明るい曲。
第2曲「バレエ」も1曲目同様、快活な曲。
1、2曲と明るいテンポの良い曲に続く第3曲「幻」はその名の通り、ハープも入る幻想的で穏やかな曲。
ここでの独奏ホルンとバイオリンの高音部の掛け合いは凄く良かった。
特にホルンは安定していて良く響いてました。
第4曲「バッカナール」は再びテンポの速い曲。
4曲構成と言う事もあり、小さな交響曲のような印象でした。
この曲も是非、また聴いてみたいと思わせる曲でした。


2曲目のラフマニノフのピアノ協奏曲第1番は結構聴く曲です。
第1番ですが、第2、3番を書いた後に大改訂したと言う事で、ある意味第4番とも言えるかも。
ピアノはエフゲニー・スドビン氏。
このスドビン氏が凄かった。
ずーっと指先ばかり見てましたが、しなやかな指先からは相反するように力強くキレの良いピアノが響いて来ます。
ホントにピアノが輝いてました。
鍵盤を離れている左手の指もキマッている、姿形もカッコ良い演奏。
特に第1楽章は圧巻で、流れるようなピアノソロが素晴らしい。
終わった時は思わず心の中でブラボーと叫んでました。
アンコールも2曲もやってくれて得した気分。


最後はショスタコーヴィチの交響曲第10番。
どうしても第5番や第7番ばかり聴いてしまうショスタコ。
この第10番は第1楽章がファウスト=ショスタコ、第2楽章が「メフィスト」、第3楽章が「グレートヒェン」とか難しい解釈があるのはいまいちよく分からないので、純粋に音楽としてCD聴いてみてもどうも今一つピンと来ない。
なので、どうかな~と思ってましたが、全然違った。
全体的に暗めなのはショスタコらしいですが、第2楽章の溢れる熱量と混沌の凄まじさや、CDで聴いていると妙に軽くて、まるで来たばかりの転校生のように浮いた印象の第4楽章が、この演奏では全然違和感なく馴染んで聴こえる。
これが生きた音楽。
これが交響曲第10番だと言われているような感じ。
さすがフィッシャー氏、名フィルの力を極限まで引き出しているようです。


わたしは結構気が散りやすい方なので、コンサートに行ってもステージ上のちょっとした事(あの人また髪型変えたな~とか)や「2階席最前列のお客さんたちみんな寝てるやん」とか、いらない事に注意が向く事が多いですが、今日はかなり集中して聴いてました。
スドビン氏やオケの方々の演奏に引き込まれましたね~
(ラフの第2楽章の静かなピアノソロで後方から鈴の音が聴こえてきたのは流石に気になったけど)


最近の名フィルのプログラムの1曲目の選曲も巧みで、こういう曲があったんだと気づかせてくれますし、CDではそれほどピンと来なかった曲の新たな面も見せてくれる。
やっぱり生演奏は良いですね。
次回も楽しみです(^^)

$アルバレスのブログ