$アルバレスのブログ

2011年発表。
単行本1冊、174ページ
読んだ期間:1日


元ネタはシャルル・ペローの「昔話」(1695)。
これにドレの細密版画を加えて編集したのが本書。

本書に収められている話は以下の7つです。

・眠り姫
・赤頭巾ちゃん
・あおひげ
・長靴をはいたネコ
・シンデレラ
・巻き毛のリケ
・親指トム

元々ドレ作品が見たくて買ったんですが、残念ながらドレ作品は34枚しか収録されていません。
「巻き毛のリケ」に至っては1枚しか入ってません。
正直言ってガッカリ。
”ドレの”とついた本は最近結構出てますが、ドレ作品を堪能したい方は、本書よりは「ドレの神曲」の方をオススメします。
「ドレの神曲」にはドレ作品が134枚も収録されていますし、「神曲」は結構読ませるので読みごたえもあります。

話は変わって収録7作品についてですが、「巻き毛のリケ」以外はだいたい昔聞いたり読んだりした事のある話ですが、ちょっと驚きもありました。
一番驚いたのは「赤頭巾ちゃん」。
なんとラストで赤頭巾ちゃんがオオカミに食べられて終わり!
「マジすか!?」って感じです。
(帯には”読んで楽しい”と書いてあるのに!)

後はオオカミの名前がロボで、赤頭巾ちゃんの名前がニーナ、シンデレラの本名はクリスティーヌと言う事が発見でした。

「シンデレラ」はグリム童話の「灰かぶり」の元になったものの一つのようです(グリム兄弟が童話を編集したのはペローから100年後くらいらしいので)。
グリム童話の「灰かぶり」はかなり陰湿でグロいですが、こちらの「シンデレラ」はだいたいみんなが知ってるような展開のお話でした。

本当にドレ作品を堪能したい場合、わたしが知ってる限りでは一橋出版の「名画でたどるバイブル」と言う本が良いです。
聖書が題材になっていて、A4サイズで200枚以上のドレ作品が掲載されています。
ただ、本書は絶版なので古書でしか手に入りません。
宝島社の「ドレの旧約聖書」と「ドレの新約聖書」は「名画でたどるバイブル」を小さくして分冊にしたものじゃないかなと思います。
「名画でたどるバイブル」はアマゾンの中古本で入手できそうなので興味のある方はどうぞ。