
2011年発表。
単行本1冊、280ページ
読んだ期間:2.5日
本書は父子二代に渡ってドッグ・トレーナーの息子の方のケヴィンがたどり着いた、「犬とは何か」を解説する学術書的な本です。
なので本書には、表紙のかわいい子犬の写真のようなワンコの写真やイラスは全くなく全ページが文字で埋め尽くされています。
さらにワンコとのエピソードもそれほど取り挙げられておらず、取り上げられていてもそれほど楽しく書かれてはいません。
はっきり言って、本書はスピリチャルなもので、トンデモ本の範疇と言った方が良いです。
なので、可愛いワンコの写真や心温まるエピソードを期待すると痛い目に遭います。
(遭った(^^;)
著者の主張は3点。
①犬は飼い主が意識していない感覚を感じ取る事が出来る。
②犬は考える事は出来ず飼い主の感情と言うエネルギーを移すもの。
③犬の存在理由は感情的なもの。
と言う事。
「犬は飼い主の内面を映す鏡」だと言う事です。
それに到達したプロセスとして、ドッグ・トレーナーとして成功した父親の歴史に著者自身の成長の歴史、さらに父子の確執、父親からの独立と言う著者の人生の歴史がかなりの紙数を取っていて、これは正直邪魔。
蛇足としか思えませんし、著者本人やその家族については興味ないです。
まぁ、犬との関わりのエピソードは具体的でわかりやすいく情景が目に浮かぶものの、著者独自の理論の解説になると抽象的で観念的な文章となり全く頭に入ってこないし、理解不能な箇所もちらほら。
肉食動物は草食動物から進化したとか、愛情深いと言われる動物は犬と馬だけだとか、変な決めつけがたくさん出てきます。
最終的に、著者はドッグ・トレーナーとして犬と長年関わって来た結果、自己の内面を見つめ、自分が何者かを自覚したとと言う自叙伝的な結末にたどり着きます。
正直「う~ん」と言う感じです。
おそらく書店で実際に本書を手に取って中を少しでも見たら買わなかったでしょう。
アマゾンで表紙だけ見て買ったツケが来ました。
以前、スタンレー・コレンの「犬があなたをこう変える」とかコンラート・ローレンツの「人 イヌにあう」なんかを読んだ経験があったのでつい手を出してしまったのが運のツキだったかな。
この2冊はワンコのエピソードも豊富で面白いですよ。
多少難しめですが。
最初の数ページ読んで、失敗したと思いましたが、読まずに批判してはいけないと思い、必死に活字を追いました。
でもほとんど頭に入ってこなかった。
まぁ、たまにはこんな事もあります。
話は変わって、先日、NHKで放送されていた海外の動物番組(名前忘れた)で、あるワンコが紹介されていました。
そのワンコは1000個のぬいぐるみの名前を憶えていて名前を言うとそれをちゃんと持って来るとか。
番組では、名前を知ってる数個のぬいぐるみの中にワンコが知らないぬいぐるみを1個入れておき、知らない名前を言って取ってこいと言うとどうするかを検証してました。
最初、何していいかわからなくなり何も取らずに戻って来てましたが、再度、取ってこいと言うと、知らないぬいぐるみを持ってきました。
知らない名前と知らないぬいぐるみを結びつけた結果だと思いますが、凄いな~と思いました。
それでも著者は犬は考えないと言うんでしょうかね~