$アルバレスのブログ

本日2/5(日)に行ってきました。

プログラム)ハチャトゥリアン/「スパルタクス」-グリゴローヴィチ版-
スパルタクス)イワン・ワシーリエフ
クラッスス)アレクサンドル・ヴォルチコフ
フリーギア)スヴェトラーナ・ルンキナ
エギナ)エカテリーナ・シプーリナ
振付)ユーリー・グルゴローヴィチ
指揮)パーヴェル・ソローキン
演奏)ボリショイ劇場管弦樂団


去年の「白鳥の湖」と「眠れる森の美女」に引き続き、人生3回目のバレエ鑑賞は男っぽいこの「スパルタクス」。
毛色の違う演目を順番に観てるようで意外と効率良い感じかな。

場所は愛知県芸術劇場大ホールで、席は4階。
今までで一番高さが高い席。
これがどう出るかはちょっと不安でした。

さて、ここからはあらすじと感想ですが、何せ全部で3時間ほどあるので記憶が錯綜してる可能性がありますので、ご容赦を(^^;

[第1幕]

冒頭から戦車に乗ったクラッススが兵士を引き連れて登場。
堂々たるいかにも勝利者と言った風情が立派です。
鎧と盾と剣を持った兵士達の群舞も勇壮です。
その後奴隷たちが登場。
手を後ろに時折組むのが拘束された奴隷たちの悲哀を表しているのかな。
ここにスパルタクスとその妻フリーギアがいます。
不遇を嘆くスパルタクスと彼を気遣うフリーギア。
男女の奴隷が分けられてクラッススの宮殿のシーンへ。
実に派手派手しいいかにも勝利者の宴。
「剣の舞」のようなBGMが流れてます。
余興で奴隷たちが目隠しされて戦い、一方が倒れ一方が生き残りますがそれがスパルタクス。
場面変わってスパルタクスが奴隷たちを集め反乱を起こすため脱走して第1幕終了。

[第2幕]

脱走したスパルタクスたちが羊飼いたちと合流し勢力拡大。
今まででもそうですが、男性群舞は中々に迫力があります。
ステージ上を走り回り、大きくジャンプ。
女性群舞の優美さとはまさに対極。
迫力があります。
そして次はスパルタクスは別れ別れになってしまった妻、フリーギアを思うシーン。
想像のフリーギアとスパルタクスのダンスは幻想的で悲哀を感じます。
相思相愛ですね~
一方のクラッススは別荘で宴会の真っ最中。
ここも第1幕の宮殿シーンのような派手派手さ。
スパルタクスとの対比が見事になされてますね。
ところがスパルタクスの軍勢に圧倒され敗北するクラッスス。
一騎打ちで負けて、情けをかけられ屈辱の内に逃走するクラッススの卑屈な激情。

[第3幕]

せっかく勝ったものの軍に不和が起こり離脱者が出てくるスパルタクス軍。
の前に再開果たしたスパルタクスとフリーギアのダンスは官能的でありますなぁ。
クラッススの愛妾エギナはスパルタクス軍を離散させるため、女奴隷を使って兵士を籠絡にかかります。
次々と策略に陥れられていく兵士たちとそれを高笑いするかのように見下ろすエギナ。
ここは滑稽さと淫靡を交互に見せる非常に面白い演出でした。
床にのそべった男女のペアが怪しく蠢く中、怪しく踊り続けるエギナ。
軍が弱体化したスパルタクスを襲うクラッスス軍。
両軍兵士の群舞も迫力があって面白い。
登場の際にちょっと滑ってヒザ付いた人もいたようでしたが、あれだけの数の人が武器を持って行きかいながら踊るのは大変でしょうね。
そしてついに倒されるスパルタクス。
槍衾にされ高く掲げられるスパルタクスの姿には、心の中で「おぉー!」と叫んでいました。
夫の死をしったフリーギアの慟哭の後、スパルタクスの遺体を高々と掲げるラストシーンは荘厳さすら感じました。


何かところどころ記憶が飛んだ気がしますが、この3時間が実に短かった。
あっと言う間の出来事でした。
主要登場人物4名のキャラがはっきり立っておりストーリーが分かりやすかった事と、事前にストーリーを押さえて観ていた事もあり、理解しやすかったのは大きかったですね。
4階席はさすがに遠く、ダンサーの表情や細かな体の動きはわかりませんが、ステージ全体が見渡せるので、ステージ全体を使ったソロや群舞のシーンでのフォーメーションなどはしっかり分かりました。
出来ればせめて3階席までのが良いかな。
今回のバレエは男性主役の”男のバレエ”と言う感じで、男性群舞が多くダイナミックな動きにあふれたステージでした。
舞台装置などもどちらかと言うと質素だったのは、描いている時代性も加味しているのかもしれませんが、それがまた”男”っぽさを強調しているような気がします。
そう言う事もあってか、客層も男性率が比較的高かった。
年齢層も高め。
もしかすると1階はそうでも無かったかも。

主役のスパルタクスを演じたイワン・ワシーリエフ氏は最近ボリショイから別のバレエ団に引き抜かれたエース級の人らしく、スパルタクスの躍動感や力強さを見事に演じてました。
敵役のクラッススを演じたアレクサンドル・ヴォルチコフ氏もクラッススと言う傲慢な勝利者を堂々と演じ、一方の女性陣のフリーギア役のスヴェトラーナ・ルンキナさんは不遇の夫に対するひたむきな愛情とたおやかさを、エギナ役のエカテリーナ・シプーリナさんは狡猾で驕慢な愛妾を妖艶に演じてました。
男声陣はリフトが多く、力技の連発も軽々としたものだし、ジャンプのふわりとした飛翔感もさすがでした。
幕間に出演者が仲良く手を取り合って挨拶するのは一般的なんですかね。
何か物語的には相争う人々が幕間のたびの仲良く出てくるのはなんとなく違和感がありました。

音楽もわたし的には結構たのしめた。
ハチャトゥリアンと言う作曲家の性質なのか、ロシアの楽団のクセなのか金管楽器と打楽器が大爆発してて、ちょっと耳が痛かったですが、そんな中でも交響曲第3番でも聞かれる哀愁あふれるメロディーもあって聴きやすい。
早速全曲盤CD購入しようと思います。

今回3回目のバレエ鑑賞ですが、今回も中々面白かったです。
今度は「くるみ割り人形」とか観てみたいですね。
そうするとチャイコフスキー3大バレエ制覇なんですけどね~

↓これは劇場で売ってたプログラム。かなり読みごたえがあってお買い得でした(^^)
$アルバレスのブログ