$アルバレスのブログ

2011年発表。
単行本1冊、222ページ
読んだ期間:1日



ゾンビ初心者のための心得集的な本。
「ぼくのゾンビ・ライフ」の太田出版が満を持して送るゾンビ物シリーズ第2弾(になるのかな?)。

本書は期せずしてゾンビになってしまった初心者ゾンビに、それまでのゾンビたちの経験や知恵(?)を伝授し、人類との戦いを生き抜く術を与えるものです。

序文+9章+ゾンビ規範+結文の構成。

ゾンビになったらどうなるかとか、ゾンビのからだの説明、人間と戦う方法、人間の襲い方などを懇切丁寧に、わかりやすく説明しています。
何と言っても対象はゾンビ。
腐りかけの脳みそでは記憶も定かでないため、文字を読むのも一苦労。
読む端から忘れていく事もありうべき事なので、図解入りで説明の上、重要な箇所は2回書く。
人間の時だったら何の苦労も無いドアの開け閉めも、すっかり記憶が無くなったゾンビには高等積分を解くほどの難題となるため、ドアノブの回し方まで図入りで説明。
刃物を使う場合はギラギラ光ってる方を持つと指が切れるので光ってない方を持ちましょうとか、苦笑いを浮かべる文章が並んでます。
そうかと思えばゾンビ化の時系列変化がかなり詳細に記してあるなど、アカデミックな箇所もあり、意外と読み応えがある。

個人的に笑えたのは、ゾンビになってるかどうかのチェック項目。
色々チェックしたあと、最期に「最近死んだ」かどうか確認しましょう、には笑えました。
あとチャック・ノリスには近づくなとかも。

ここで対象にしているゾンビは、最近流行の全力疾走型ゾンビではなく、ノロノロ歩き型ゾンビなので、最近の流れには乗ってません。

正直言うと、笑える箇所と退屈な箇所は4:6くらいなのでそんなに面白い本ではないかもと思ってラストページを読むと、「そうくるか!」とひざを打つオチが待ってます。

あなたも本書を手に取りゾンビの仲間入りを果たしましょう!