1969年発表。
文庫1冊、382ページ
読んだ期間:3日
$アルバレスのブログ

[あらすじ]
広大な敷地を所有するデスパード家の当主が急死。
その夜、当主の寝室で目撃されたのは古風な衣装をまとった婦人の姿だった
。その婦人は壁を通り抜けて消えてしまう……
伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人の手を借りて埋葬された遺体の発掘を試みる。
だが、密閉された地下の霊廟から遺体は跡形もなく消え失せていたのだ!
(早川書房HPより)


普段、ミステリをほとんど読まないわたしとしては珍しく読んでみた、大御所カーの新訳版。
正直言ってタイトルの「火刑法廷」って言う”法廷”と言う単語に惑わされ、ちょっと法廷ものっぽい所もあるのかなとか思ってましたが、勘違いでした。

40年以上前の推理小説はこんな構成が多かったんでしょうか?
状況説明と謎解きが延々続くのでちょっと退屈でした。
確かにちょっとした出来事が意外な証拠に結びつくなど、複雑なトリックが徐々に解き明かされるところなどはさすがに推理小説だなぁ、と関心しました。

が、それまでの退屈ムードが一変するのがわずか5ページの最終章。
まさかそう来るとは!と言う驚きが待ってました。
巻末の解説でも、この最終章により本書は傑作となった、と言われている通り。

いくつか腑に落ちないところもありますが、結局結構面白かったという印象が残る不思議な作品でした。