2009年発表。
文庫2冊、886ページ
読んだ期間:5.5日

[あらすじ]
ある条件が満たされたときに自動作動するコンピュータプログラム、デーモン。
大量殺戮を平然とおこない、ゲームをリセットするかのように凶悪な囚人をセレブに変身させ、大企業も一夜にして乗っ取る。
作成した天才博士は、死後も思うがままに社会を崩壊させていく。
博士の真の目的はいったい何なのか?
(新潮文庫HPより)
ITコンサルタントでゲーマーのスアレースの処女小説だそうです。
最初に断わっておかなくてはいけないのは、本書「デーモン」はこのシリーズの序章のような位置づけだと言う事です。
なので、ネタふりの塊で解決はしてません。
続編の「FREEDOM」は2010年発表されているらしいですが、邦訳はまだ。
なので、買ってから「終わってないじゃん!」と文句を言ってはいけません(自分…)。
前置きはここまでにして感想を。
最初の上巻を読んだ時は、「あぁ、ダイ・ハード4.0ね」と思いました。
コンピュータやオンライン・ゲームには全く無関心な地方捜査官ピート・セベックが、偶然事件に巻き込まれたDBコンサルタントのジョン・ロスを伴い事件に立ち向かうという構図は、「ダイ・ハード4.0」のマクレーン刑事とハッカー青年のファレルにそっくり。
ただ、相手は生きた人間ではなく、天才ゲーム・デザイナー、マシュー・ソボルの残したプログラム=デーモン。
このデーモンに対して無謀な作戦を推し進め大惨事に巻き込まれる頭の固いFBI、怒りに任せ猪突猛進する現場捜査官など、割とありきたりな展開を見せていたのが上巻なので、「こんな感じかな」程度の印象を持ちました。
それが下巻に入ると急激に様相が変わります。
主要企業のシステムにあっという間に侵食していくデーモン。
オンラインゲームを使って人間の協力者を集め、犯罪者をヘッドハンティングして実行部隊を形成、特殊車両の設計図を作り製作させ政府組織にも対抗していくデーモン。
表向き、事件を解決させるため人身御供まで用意し、表舞台から姿を消し(元々表には出てないですが)、ついには世界経済にまで影響力を及ぼしかねない存在になってしまったデーモンに対して、アメリカ政府は翻弄されていく。
この下巻の展開には唸らされました。
ちょっとデーモンが万能に過ぎるきらいはありますが、続編で何らかの展開があるかもしれないため、ここではあまり突っ込めません。
とにかく、続編が出てからでないと評価しずらいですが、処女小説としては良く出来てると思います。
続編に期待です。
最後に登場人物をちょっとまとめておきます。
マシュー・ソボル…サイバーストーム社創設者で天才ゲームデザイナー。脳腫瘍で34歳の若さで亡くなるが彼が残したデーモンは新世界秩序構築のため動き出す。
ジョン・ロス…国籍不明のDBコンサルタント。デーモン事件の解決のため協力するはめに陥る。
ピート・セベック…ベンチュラ郡刑事で当初、サイバーストーム社で起きた殺人事件を担当していたが、それが世界を巻き込むデーモン事件へと発展。デーモンの罠にかかりデーモン事件の首謀者に祭り上げられ死刑を宣告される。
ロイ・メリット…FBI人質救出班班長。ソボル邸突入の指揮を取るがデーモンの罠にかかりチームは全滅、自身も重傷を負う。デーモン事件解決のため執念の捜査を行う。
ナタリー・フィリップス…NSA捜査官。情報処理の専門家としてデーモン事件解決のため尽力するが、デーモンは無い事にして幕引きを図りたい上層部との板ばさみに。
少佐…フィリップスに付き従う謎の軍人。独自の判断でデーモン事件に当たり、そのためには手段を選ばない。
ブライアン・グラッグ…個人情報専門のハッカーでソボルのオンライン・ゲームでスカウトされたデーモン協力者。今の世界に激しい嫌悪を抱いておりソボルに協力する事で世界を変えたいと思う。
アンジー・アンダーソン…TVキャスター。自身の栄達のためデーモンに協力。セベックを陥れる。
チャールズ・モーズレー…元囚人。デーモンの採用テストにパスし、それまでの人生を覆しデーモン治安部隊の一員となる。
文庫2冊、886ページ
読んだ期間:5.5日

[あらすじ]
ある条件が満たされたときに自動作動するコンピュータプログラム、デーモン。
大量殺戮を平然とおこない、ゲームをリセットするかのように凶悪な囚人をセレブに変身させ、大企業も一夜にして乗っ取る。
作成した天才博士は、死後も思うがままに社会を崩壊させていく。
博士の真の目的はいったい何なのか?
(新潮文庫HPより)
ITコンサルタントでゲーマーのスアレースの処女小説だそうです。
最初に断わっておかなくてはいけないのは、本書「デーモン」はこのシリーズの序章のような位置づけだと言う事です。
なので、ネタふりの塊で解決はしてません。
続編の「FREEDOM」は2010年発表されているらしいですが、邦訳はまだ。
なので、買ってから「終わってないじゃん!」と文句を言ってはいけません(自分…)。
前置きはここまでにして感想を。
最初の上巻を読んだ時は、「あぁ、ダイ・ハード4.0ね」と思いました。
コンピュータやオンライン・ゲームには全く無関心な地方捜査官ピート・セベックが、偶然事件に巻き込まれたDBコンサルタントのジョン・ロスを伴い事件に立ち向かうという構図は、「ダイ・ハード4.0」のマクレーン刑事とハッカー青年のファレルにそっくり。
ただ、相手は生きた人間ではなく、天才ゲーム・デザイナー、マシュー・ソボルの残したプログラム=デーモン。
このデーモンに対して無謀な作戦を推し進め大惨事に巻き込まれる頭の固いFBI、怒りに任せ猪突猛進する現場捜査官など、割とありきたりな展開を見せていたのが上巻なので、「こんな感じかな」程度の印象を持ちました。
それが下巻に入ると急激に様相が変わります。
主要企業のシステムにあっという間に侵食していくデーモン。
オンラインゲームを使って人間の協力者を集め、犯罪者をヘッドハンティングして実行部隊を形成、特殊車両の設計図を作り製作させ政府組織にも対抗していくデーモン。
表向き、事件を解決させるため人身御供まで用意し、表舞台から姿を消し(元々表には出てないですが)、ついには世界経済にまで影響力を及ぼしかねない存在になってしまったデーモンに対して、アメリカ政府は翻弄されていく。
この下巻の展開には唸らされました。
ちょっとデーモンが万能に過ぎるきらいはありますが、続編で何らかの展開があるかもしれないため、ここではあまり突っ込めません。
とにかく、続編が出てからでないと評価しずらいですが、処女小説としては良く出来てると思います。
続編に期待です。
最後に登場人物をちょっとまとめておきます。
マシュー・ソボル…サイバーストーム社創設者で天才ゲームデザイナー。脳腫瘍で34歳の若さで亡くなるが彼が残したデーモンは新世界秩序構築のため動き出す。
ジョン・ロス…国籍不明のDBコンサルタント。デーモン事件の解決のため協力するはめに陥る。
ピート・セベック…ベンチュラ郡刑事で当初、サイバーストーム社で起きた殺人事件を担当していたが、それが世界を巻き込むデーモン事件へと発展。デーモンの罠にかかりデーモン事件の首謀者に祭り上げられ死刑を宣告される。
ロイ・メリット…FBI人質救出班班長。ソボル邸突入の指揮を取るがデーモンの罠にかかりチームは全滅、自身も重傷を負う。デーモン事件解決のため執念の捜査を行う。
ナタリー・フィリップス…NSA捜査官。情報処理の専門家としてデーモン事件解決のため尽力するが、デーモンは無い事にして幕引きを図りたい上層部との板ばさみに。
少佐…フィリップスに付き従う謎の軍人。独自の判断でデーモン事件に当たり、そのためには手段を選ばない。
ブライアン・グラッグ…個人情報専門のハッカーでソボルのオンライン・ゲームでスカウトされたデーモン協力者。今の世界に激しい嫌悪を抱いておりソボルに協力する事で世界を変えたいと思う。
アンジー・アンダーソン…TVキャスター。自身の栄達のためデーモンに協力。セベックを陥れる。
チャールズ・モーズレー…元囚人。デーモンの採用テストにパスし、それまでの人生を覆しデーモン治安部隊の一員となる。