2011年発表。
新書1冊、229ページ
読んだ期間:2日


このシリーズも5巻目を迎え、そしてまだまだ続きます。

今回は、前巻ラストで登場したウェーブピアサー型高速輸送艦(房総型)がいきなり登場。
1万トンを超える大型艦ながら30ノットを超える高速が自慢の艦ですが、予算不足で民間船の改装レベルの上、兵装もなく、搭乗員は操艦できれば良いレベルの少人数。
台風吹き荒れ、空路での兵員・物資輸送が出来なくなった代わりに活躍しますが、その存在は北のスパイ兵に知られる事に…

サイレント・コアの土門隊は同行する義勇兵団の申大尉の見つけたレジスタンスの子供に導かれ、日本人や外国人を含む避難民に遭遇。
見捨てる事も出来ずにやっかいなお荷物を背負い込む事に…

ソウルを目指す日韓合同軍は、陸自の戦車部隊による奇跡的な大勝利により一気に大邱奪還に成功。
その勢いをかって朝鮮戦争因縁の地、洛東江への進撃を開始する。

と言う感じ。

北朝鮮軍はかつての勢いを失い、当初投入していた精鋭部隊も徐々に兵力をそがれ、頼みの大量歩兵もふたを開けて見れば強制徴兵された素人農民だったりし、後は大量破壊兵器による無茶な反撃が怖いくらいな感じに。
ただ、洛東江進撃に関しては、北が有利な条件なのを分かった上で、過去の因縁から無理しての戦いとなるため、次巻ではこのあたりの混戦ぶりで盛り上げてくれるのでしょう。

本書での新兵器は赤外線照明弾=オラクル弾。
暗視装置持ちにはありがたい、普通の人にはあまりどうとでもない照明弾。
もう一つが小型携帯型発砲音探知機。
無人偵察機「来栖」の開発者、技研の野口姉弟が開発した、発砲音がどこから発しているかを知らせる探知装置。
どちらも自衛隊の新兵器です。
後者はまだそれほど活躍してないので次巻で活躍の場が出てくるかも。

台風も過ぎ、天候の障害が無くなった次巻は、陸は洛東江進撃、海は房総型への北の攻撃の2段仕立てになりそうです。
(しかし、台風の影響で何とか、っていうシチュエーションが多いなこの小説)
$アルバレスのブログ