すでに年を越して半月経ちましたのでそろそろまとめようと思います。


読んだ本は以下のとおり(読んだ順)


サン・テグジュペリ「星の王子さま」
大石英司「対馬奪還戦争3~5」
トム・ロブ・スミス「チャイルド44」
トム・ロブ・スミス「グラーグ57」
ディーン・R・クーンツ「ぬいぐるみ団オドキンズ」
谷岡一郎「SFはこれを読め!」
川北紘一「特撮魂 東宝特撮奮戦記」
ロバート・L・フォワード「竜の卵」
古谷敏「ウルトラマンになった男」
マイク・レズニック「キリンヤガ」
ジェイン・オースティン&セス・グレアム・スミス「高慢と偏見とゾンビ」
ロバート・J・ソウヤー「さよならダイノサウルス」
伊藤計劃「虐殺器官」
ロバート・J・ソウヤー「占星師アフサンの遠見鏡」
ロバート・J・ソウヤー「イリーガル・エイリアン」
ロバート・J・ソウヤー「ターミナル・エクスペリメント」
ディーン・クーンツ「一年でいちばん暗い夕暮れに」
ロバート・J・ソウヤー「ゴールデン・フリース」
バリントン・J・ベイリー「時間衝突」
ロバート・J・ソウヤー「スタープレックス」
ロバート・J・ソウヤー「フレームシフト」
ロバート・J・ソウヤー「フラッシュフォワード」
コニー・ウィリス「航路」
スティーヴン・W・ホーキング「ホーキング、宇宙を語る」
ディーン・クーンツ「オッド・トーマスの救済」
ケイト・ディカミロー「愛をみつけたうさぎ」
スティーヴン・ホーキング「ホーキング、未来を語る」
コニー・ウィリス「最後のウィネベーゴ」
ブライアン・W・オールディス「地球の長い午後」
伊藤計劃「メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット」
サイモン・シン「フェルマーの最終定理」
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「輝くもの天より墜ち」
サイモン・シン「暗号解読」
ケン・グリムウッド「リプレイ」
オルダス・ハックスリー「すばらしき新世界」
スティーヴン・キング「シャイニング」
ダンテ・アリギエーリ「神曲 地獄篇 煉獄篇 天国篇」
ジョン・ミルトン「失楽園」
山根一眞「小惑星探査機 はやぶさの大冒険」
ダン・シモンズ「夜の子供たち」
キム・ニューマン「ドラキュラ紀元」
ダン・シモンズ「サマー・オブ・ナイト」
ダン・シモンズ「カーリーの歌」
キム・ニューマン「ドラキュラ戦記」
大石英司「半島有事1~2」
北野勇作「かめくん」
ドン・ウィンズロウ「フランキー・マシーンの冬」
ダン・シモンズ「エデンの炎」
ダン・シモンズ「うつろな男」
ダン・シモンズ「ダーウィンの剃刀」
スティーヴン・キング「ファイアスターター」
マイクル・フリン「異星人の郷」
フェリクス・J・パルマ「時の地図」
ヨハンナ・シュピリ「アルプスの少女ハイジ」
リチャード・マシスン「アースバウンド-地縛霊-」
スティーヴン・ハンター「蘇えるスナイパー」
伊藤計劃「ハーモニー」
ジェイムズ・ボーセニュー「キリストのクローン/新生」
ロバート・A・ハインライン「ダブル・スター」
小林研一郎とオーケストラへ行こう


以上、60タイトル/77冊。


前半はSF、中盤はノンフィクションと古典、後半はホラーと時期により趣味趣向が変わって行ったのが良く分かります。
自分でも驚き。


では2010年ベスト5+αを。
まずはフィクション部門。


第1位:トム・ロブ・スミス「チャイルド44」


とにかく本書の仕掛けには見事にはめられた。
二作目の「グラーグ57」は普通の冒険小説レベルに落ち着いた感がありましたが、完結編となる三作目には期待大です。


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第2位:コニー・ウィリス「航路」


前年の2009年には「ドゥームズデイ・ブック」を第3位にしましたが、本書は悩んで第2位にしました。
上・下巻合わせて1300ページを超える大作ですが、これは頑張って読んで欲しい作品。
絶対泣ける事請け合いです。


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第3位:伊藤計劃「ハーモニー」


今年の個人的な発見の一つは伊藤計劃という作家との出会いでした。
残念ながら既に故人のため新作はもう出てこないわけですが、数少ない著作の中でも最高なのが本書。
氏の個性的な着眼点には脱帽します。


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第4位:ロバート・L・フォワード「竜の卵」


これは古い作品ですが、面白さは抜群です。
物理学者だからこそ書ける、小説家には書けない突き抜けた面白さ。
センス・オブ・ワンダーという言葉がピッタリくる作品です。


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第5位:伊藤計劃「虐殺器官」


伊藤計劃の処女小説を第5位にしました。
ベスト5に2作品というのはどうしようかと思いましたが、ちょっと外せない。
極端にナイーブながら暗殺を生業にする主人公という激しいギャップと言葉を兵器として使うという着想が面白い。


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次 点:キム・ニューマン「ドラキュラ紀元」


こちらもちょっと古い作品ですが、古典的モンスターの最高峰、ドラキュラを中心にしたオールスター小説。
エンターテインメントを突き詰めた作品として、単純に面白かった。
続編の「ドラキュラ戦記」も面白かった。
完結編(?)の「ドラキュラ崩御」がどうしても手に入らないのが残念。


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以上がフィクション部門。


続いてノン・フィクション部門から1冊。


サイモン・シン「フェルマーの最終定理」


数学、特に数論という一般人には非常に難しいテーマを分かりやすく、そして感動的に著した作品です。
数学とか難しくてちょっと…と思っている方、数式や理論は分からなくても大丈夫です。
本書はそんな事を苦にする事無く、「フェルマーの最終定理」という世紀の大難題に挑んだ数学者たちの偉業に触れる事が出来ます。


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最後に、特別枠を。
これは卑怯かもしれませんが、ベスト5から敢えて外した作家を特別賞的に挙げておきます。
それはロバート・J・ソウヤー。
本年前半はほぼこの作家の作品ばかり読んでました。
どの作品も全て面白いため、ソウヤー作品をベスト5に含めるとほとんど埋まってしまうので別枠にしました。
その中でも無理やりランキングを付けると以下の通りになります。


1.スタープレックス
2.イリーガル・エイリアン
3.フレームシフト

4.ターミナル・エクスペリメント
5.フラッシュフォワード
6.ゴールデン・フリース
7.占星師アフサンの遠見鏡
8.さよならダイノサウルス


このランキングはあくまで個人的な趣味です。
実際はほとんど差がありません。
ではランキングの中での上位3位についてちょっと紹介します。


1位の「スタープレックス」はわたしがスター・トレック好きなのが要因です。
異星人同士が同じ宇宙船に乗り協力し、対立を乗り越え宇宙の神秘に挑む。
しかもその宇宙の神秘のスケールの大きさと数が凄い。
よくこれだけのものを1冊の小説にまとめられるなと感心します。


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2位の「イリーガル・エイリアン」は非常に個性的な作品です。
ファーストコンタクトを果たしたエイリアンが殺人罪で捕まり、彼をアメリカの法律で裁く。
これだけでも興味をそそられますが、SF的要素も非常に高い作品です。


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3位の「フレームシフト」はソウヤー作品の中ではちょっと毛色の変わった作品です。
ソウヤー作品は基本的に明るく楽しいハッピーエンドですが、こちらはちょっと泣ける作品になっています。
遺伝子操作とナチズムという倫理感をゆさぶる作品。


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ソウヤーにはまだ未訳の作品が幾つかあるので、是非邦訳版が発売される事を望みます。
(ネアンデルタール・パララックス三部作はまだ読んでません)


既に2011年は始まって半月経ちますが、今年はどんな作品に出会えるのでしょうか?
新作が読みたい作家が何人かいますので邦訳が発売されるといいなと思います。