か行になって遂に邦画が登場。
平成ガメラシリーズ3部作と特典映像集2枚の計5枚のボックスセットがこれです。

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平成に入って復活した「ゴジラ」の後を受けて復活した「ガメラ」ですが、大人の鑑賞にも堪えうる映画としては圧倒的に「ガメラ」の方が上と、個人的には思っています。
話のシリアスさだけではなくSF考証もしっかりしており、なにしろ展開が燃える。
「ゴジラ」派の人には申し訳ないですが、「平成ゴジラ」はどうも納得いかない部分が目に付き過ぎて萎えるんですよね。
セリフ回しもやたらと説明調だったり、言葉が不自然だったり。
そういった鬱憤を晴らしてくれたのが「平成ガメラ」でした。
裏設定では「平成ガメラ」の世界には亀という生き物が存在しないから、劇中で亀と言う言葉が一切出てこないとか(「小さき勇者たち~ガメラ~」は除きますが、あれは角川映画って事で(^^;)、かなり練った下設定がしてあるところが良い。


と言うわけでこのボックスセットが発売されるや直ぐに購入して、暇があれば取り出しては観てました。
ちょっと最近は観てなかったですが、今回ブログに取り上げた事でまた観直したくなって来ました(^^)


ちなみに特典ディスクですが、一つが「特撮術」と称したもので、アニメ・特撮ライターの木原浩勝氏と特技監督の樋口真嗣氏との対談形式で、3部作の数々の特撮シーンの裏話が聞けます。
もう一つは「軌跡」と称した、各種映像集です。
まぁこっちは良くあるTVスポット集とかイベントの様子とかテーマ曲をBGMにした撮影風景なんかが収められています。


あとおまけには「ガメラ パーフェクトファイル」という32ページフルカラーの小冊子と、3部作のポスター2種類ずつのポストカードです(ポストカードはコレ↓)。

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「ガメラ パーフェクトファイル」の中の3部作のヒロイン紹介ページがコレ↓

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「ガメラ 大怪獣空中決戦」の長峰役の中山忍さんは中山美穂さんの妹さんですが、この映画を観るまでは、申し訳ないですが、全然関心が無かった人です。
しかし、長峰の清楚でそれでいて芯の強い鳥類学者を見事に演じていて好きになりました。
浅黄役の藤谷文子さんはこれがデビュー作。
さすがに演技は素人でしたが、この後、3部作全てに出演していく中で段々演技も巧くなって行きました。
最近ではTVドラマ「熱海の捜査官」でエキセントリックな女教師役をやってて「大人になったなぁ。」と感慨ひとしおでした(^^)
お父さんはスティーブン・セガール。
これにはちょっと驚きましたね。


「ガメラ2 レギオン襲来」でのヒロインは水野美紀さん。
ここではアクション女優的な要素は無く、いかにもヒロインらしい、ちょっと少女っぽい演技をしてました。


「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」では前田愛さんがヒロイン役。
ガメラを憎み、イリスを生み出してしまう重要な役柄。
映画の内容にマッチしたちょっとダークなヒロインでした。
ちなみに子供時代にガメラとギャオスの市街戦に巻き込まれ両親を亡くした回想シーンで彼女を演じたのは、実の妹の前田亜紀さんです。
しかし、愛さんも既に結婚。
時代の流れを感じる…
本作には長峰も登場します。


男性陣は、伊藤剛志・小野寺昭、永島敏行・吹越満、手塚とおるなど個性的な人々ですが、やっぱり重要なのは大迫役の蛍雪次郎氏。
3部作全てに出演し、その過程で人生の悲哀も演じてくれました。
「平成ガメラ」で初めて知った役者さんですが、この後、大河に出演したりと活躍されています。
あとは役名なしで3部作全てに出ていた自衛隊員役の渡辺裕之氏。
常に厳しい表情で攻撃の指揮を執る姿がカッコいい。


他にも多くの名優、重鎮も参加してましたし、カメオ出演で色んな分野の人々が顔を出してました。
個人的にはカメオ出演って好きじゃないんですけどね。
変な印象が付いてる人や、作品のイメージに合わない場合が多いんで。
幸い、「平成ガメラ」シリーズでカメオ出演した人々はそれ程酷く無かったんで救われましたけど。
これが最悪のケースになった映画は実写版「デビルマン」で、もし観てない人がいたら、お金を捨てる覚悟でレンタルなりなんなりしてもらえば分かります。
映画制作でやってはいけない事を全て行った21世紀の最悪映画ですんで。


ここからはそれぞれの映画についてちょっとずつコメントします。


共通するのは製作スタッフ。
監督:金子修介
特技監督:樋口真嗣
脚本:伊藤和典


奇跡のトリオです。


「ガメラ 大怪獣空中決戦」
公開:1995年公開。星雲賞受賞。
時間:95分


記念すべき「平成ガメラ」第1作。
この映画はいたるところに燃える要素がありますが、一番燃えるのはやっぱりラストのガメラとギャオスの一騎打ちのシーン。
まるで西部劇の決闘のような演出。
にらみ合うガメラとギャオス。
お互いの武器であるプラズマ火球と超音波メスにエネルギーを蓄え、一気に発射!
ガメラの頬をかすめる超音波メス!
ギャオスに直撃するプラズマ火球!
ゆっくりと倒れるギャオス!
勝利の雄たけびを上げるガメラ!
これは燃える!!!
燃えるシーンはコチラ↓

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「ガメラ2 レギオン襲来」
公開:1996年公開。日本SF大賞(映画初受賞)、星雲賞受賞。
時間:100分


こんどはどんな怪獣が出てくるかと思えば、新怪獣レギオンが登場。
「草体」と呼ばれる植物状の物体と共に無数のソルジャーレギオンを従えた巨大なマザーレギオンの昆虫的で金属的なデザインは秀逸。
特殊な生態を解明していくステップも面白かったし、ガメラ最強の武器、ウルティメイトプラズマの大迫力!
地球上のマナを自身の体内に導き入れ、一気に放出するそのパワー!

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(「ドラゴンボール」の元気玉と言っては身も蓋もないですが(^^;)
ガメラって結局はただの入れ物なんだという事が明らかになるシーンです。
ここでマナを大量に使ってしまったので、ギャオスが孵化するきっかけになってしまい、「ガメラ3」のハイパーギャオス多量発生につながる…という展開も見事です。


「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」
公開:1999年公開。
時間:108分


ここではどちらが正義なのかが問われるという非常に重々しいテーマになってます。
ギャオスの変異体のイリスは、見た目はヒーローのような姿をしており、一方のガメラは凶悪と言えるほどにその姿が変貌。
一体で地球を守る事への絶望的な悲壮感が垣間見えます。
また、本作では、巨大怪獣が戦う事が人間にどんな影響を与えるかをまじめに取り組んだ作品でもあり、ギャオスとガメラの市街戦では巻き込まれる人々が次々と倒れ、建物も崩壊。
「ウルトラマン」などが敢えて触れてこなかったタブーに挑戦したとも言えます↓

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こういう事もあって結構ハードルの高い映画にはなりましたが、こういうスタンス、わたしは好きです。


なお、本作には「TRICK」出演前でまだブレイクしていなかった仲間由紀恵さんが、イリスに襲われ殺されるキャンパー役で出演。
えらい事になってます↓

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「平成ガメラ」の容貌は作品を続く毎にドンドン厳しいものになってます。
下は作品発表順の顔↓

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一番下の「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」については本当は向きが逆だったんですが、上2つに合わせて反転させてます。
その一番下のガメラは雨のシーンですが、本当の水を使うと水滴が大き過ぎガメラの巨大感が出ないので細かい砂を雨粒代わりにしてるそうです。


この3部作の後、「小さき勇者たち~ガメラ~」が発表されますが、こちらは子供の友達だった昭和ガメラテイストにあふれるもので、3部作とはかなり雰囲気が異なります(監督も違うしね)


また、落語家の林家しん平が自主制作した「ガメラ4 真実」という作品がありますが、こちらは「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」の完全な続編で、「ガメラ3」のラストで一人、ハイパーギャオスの群れに立ち向かうガメラの激闘を描いたものだそうです。
凄く観てみたい~


ではここでオマケ。
記念すべき「平成ガメラ」第1作「ガメラ 大怪獣空中決戦」の主題歌、爆風スランプの「神話」について。
ギャオスとの決闘を終え海に帰っていくガメラの背中越しに流れるこの曲も燃える要素の一つ。
実に良い曲です。
もしかすると爆風スランプの中では最高の1曲かも。
ここで紹介するのは元ネタは良く分かりませんが、YouTubeにあったものです。





で、もう一つのオマケ。
これは「昭和ガメラ」の共通テーマ曲、ガメラマーチ。
♪強いぞガメラ、強いぞガメラ、強いぞガ~メ~ラ~♪。
懐かしいんでどうぞ(^^)