米・英・ニュージーランド合作
日本公開:2010年1月
監督:ピーター・ジャクソン
出演:
シアーシャ・ローナン(主人公スージー)
マーク・ウォルバーグ(父親ジャック)
レイチェル・ワイズ(母親アビゲイル)
スーザン・サランドン(祖母リン)
スタンリー・トゥッチ(犯人ハーヴィ)
原作:アリス・シーボルド「ラブリー・ボーン」
時間:135分
1973年に14歳で殺されたスージーが、現世と天国の間をさまよいながら家族、友人、犯人のその後を見守り天国へと旅立つ物語。
父親は犯人捜索にのめりこみ、母親は哀しみから抜けられなくなり別居してしまいます。
そんな中、スージーの妹リンジーは近所に住むハーヴィに何か漠然としない不信感を抱きます。
それと呼応するかのように父親ジャックもハーヴィが犯人ではないかと勘ぐり、ある時、ハーヴィを襲おうと夜中出かけますが、間違って捕まえようとしたカップルの男の方に反撃に合い、半殺しの目にあいます。
その後、妹リンジーは隙を見てハーヴィの家に侵入、ついにハーヴィが犯人である証拠を見つけます。
そして…
原作を読んでないので比較できませんが、ファンタジー色のかなり強い作りになってます。
復讐物ではありません。
全体を通して、殺されたスージーの独白という形で映画は進みます。
スージーはそれほど積極的に現世に影響を与えず(ほとんど何も出来ない)、様子を見守っています。
現世と天国の狭間の世界の幻想的なシーンには悲壮感は無く、残忍な殺戮シーンも皆無。
ホラーと思って観る人はいないでしょうが、一応言っとくと、そういうシーンはありません。
キリスト教的世界観を表現しているとも言えますが、あまり堅苦しい説教的なセリフがあるわけでもないので、気楽に観れます。
とは言え135分は長いですね。
ただ、結構寝不足状態で観てた割には一度も意識を失う事無く観通しました。
主演のシアーシャ・ローナンは英映画の「つぐない」で13歳の若さでアカデミー助演女優賞にノミネートされた期待の新鋭。
94年生まれで本作撮影中は15歳くらいなので役とほぼ同い歳。
父親ジャック役のマーク・ウォルバーグは特に説明のいらない有名俳優ですが、本作では長髪の普通の父親役。アクションも出来る悪役も出来る普通の人も出来る中々芸達者な役者ですね。
母親アビゲイル役のレイチェル・ワイズは「ハムナプトラ」のヒロイン役で大出世した女優さんですが、中学生の母親役やる歳になったんですねぇ…
とはいえ70年生まれだから当たり前なんですが。
祖母リン役のスーザン・サランドンもおばあさん役するようになったか…
いかにも彼女らしいタバコと酒をこよなく愛するイケイケばあちゃんを演じてました。
犯人ハーヴィ役のスタンリー・トゥッチは「プラダを着た悪魔」で、アン・ハサウェイ演じるアンドレアをサポートし一流のファッションを教え込むゲイっぽいデザイナーのナイジェル役をやってた人。
この人も確かな演技力のある役者。
こうしてみるとかなりしっかりとした役者で構成された映画です。
監督は「バッド・テイスト」「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン。
あの「バッド・テイスト」の監督がこういう映画を撮るようになるとは、当時誰が予想したでしょうか?
正にサム・ライミ路線ですねぇ。
このあとちょっとばかり出演シーンを紹介したあと、オチの感想を少しだけ書きます。
ので、見たくない方はご注意を。
ジャック。ボトルシップ作りが趣味
長髪にするとひろみちお兄さんのよう。

<ラストについて>
最後に犯人は判明するんですが、彼が家に隠し持っていたスージーの死体を入れた金庫は発見されず仕舞いの上、逮捕もされず。
結局、崖から落ちて事故死ってのは「えぇ~」という感じです。
上げた拳の振り下ろし先が無くなったような。
まぁ、リアルな世界だとこれはアリでしょうが、原作もこうなんでしょうね。



