2006年発表の「オッド・トーマス」シリーズの第3弾。




前作で、最愛の人、ストーミー・ルウェリンの死の痛手に一定の見切りを付けたオッドは、

故郷のピコ・ムンドを離れ、シエラネヴァダ山脈にあるセント・バーソロミュー大修道院に滞在し、執筆活動にあたっていた。

ある夜、不穏な雰囲気に気づいたオッドは、大量死の予兆として現れるボダッハを院内で見る。

神の宮殿である修道院で、一体何が起こるというのか?




舞台が前2作とは異なるため、登場人物もがらっと変わります。

かつてはギャングの用心棒としてならしたブラザー・サルヴァトーレ、通称ナックルズや、

素粒子物理学の権威で莫大な財を成したあと、修道院に大金を寄付して世俗から離れ修道士となり、ひとり地下の研究室で研究を重ねる、ブラザー・ジョン・ハインマン、

修道院の司書で熊のような体格のロシア人、ロジオン・ロマーノヴィチなど、

非常にクセのある初登場の人々が多数出てきます。

また、この修道院は、かつて虐待を受けたり難病を患っている子供達の収容施設ともなっています。

こういった状況説明や人物紹介にかなりの紙数がさかれています。




また、今回、オッドの敵となる存在は、前2作とは異なり、魔界の存在とも言うべき異形のものたち。

骨だけの怪物や死神のような姿の謎の存在。

そういう意味ではモダンホラー色がふんだんにある作品になっています。






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では、ここからネタバレ感満載の感想を。

本書を楽しみにしている人は読まないでください(^^;




















































































正直言って本作はちょっとどうかな?

途中でなんとなくそういう事だろうというのが見えてきます。

はっきり言って「禁断の惑星」でしょ?というのが。

本文中にもそのままこの映画の題名がでて来ますが(^^;

前2作のようにオッドが一生懸命がんばって何とか解決するというよりも、サポートに回ってる印象。

唐突に出てくるNSA捜査員もねぇ。

本作を書いてた時期がクーンツの愛犬トリクシーの状態が悪くなった時期だったそうで、

著作に集中出来なかったんではないか?(本作にもゴールデン・レトリーバーが出てきます)

帯やあらすじには”最高傑作”と書かれていますが、巻末の解説では本書がいかに凄いかの解説よりも、

著者の生い立ちや他の作品紹介に費やされており、どう褒めようか決めかねたような印象。

結局オッドはまた旅に出て行くところで話は終わりますので、次作でもまた新しい状況の説明から始まるのかな。

ちなみにエルビスの霊はオッドについて修道院まで来ていましたが、ついに決心して死後の世界に旅立って行きました。

が、えらいあっさりと書かれていたのでちょっと拍子抜け。

あれだけオッドと共に歩んできたキャラなのに、もうちょっと何とかならなかったのか?

代わりになんと今度はフランク・シナトラの霊が登場(^^;

ただ、ブラザー・ナックルズが改心したきっかけを作った絵本「愛をみつけたうさぎ」は非常に興味を惹かれ、アマゾンで注文しました(^^)

次作以降で何とか盛り返してもらいたい…