1988年作品。なので最近では付いてない”R”が付いてるディーン・R・クーンツの児童書。

あのホラー作家の書いた児童書と言うだけで興味が沸きますが、その上このタイトルの可愛らしさ。

これに惹かれて思わず買いました(ちなみに原題はただの「ODDKINS」。これじゃ何だか分からない)。

 



魔法のおもちゃ屋、アイザックおじさんに作られた生きたおもちゃ=オドキンズ。

急死してしまったアイザックおじさんの後継者になるはずのシャノンさんに事情を説明するために、

オドキンズたちは生まれて初めて店の外に出て、シャノンさんのもとへ大冒険の旅に出ます。

 



旅に出るのは6体のオドキンズ。

リーダーで詩が大好きなテディ・ベアのエイモス、

いつか本物のゾウの様にアフリカの大地を踏みしめたいゾウのぬいぐるみのバール、

世界一のお笑い芸人を目指すお調子者のウサギのぬいぐるみのスキッピィ、

心優しいお母さん的存在のイヌのぬいぐるみのバタースコッチ、

中世の騎士のような格好をしたネコのぬいぐるみのパッチ、

そして原型はよく分からないオドキンズの長老のギボンズ。

 



ところが彼らの邪魔をする存在があります。

「闇のもの」に支配された悪のおもちゃ屋カロンがかつて作った悪いおもちゃたちがアイザックおじさんの死後、復活。

オドキンズたちを追いかけます。

 



先端にナイフを仕込んだステッキを持ったあやつり人形のレックスをリーダーに、

火を操る若い女のあやつり人形リジー、

ロボットのギア、ピエロの頭が飛び出てくるびっくり箱のジャック・ウィーゼル、

尾から長い針を飛び出させるハチのスティンガー。

 



ここに、アイザックおじさんの甥で現実主義者で金儲け第一主義のヴィクターと「闇のもの」に操られた犯罪者のニックが加わります。

 



児童書なのでそれほど難しい事はありませんし、色々な謎(なぜぬいぐるみが生きているのか、アイザックおじさんの魔法の理由とは、「闇のもの」とは?など)は謎のままで解決されませんが、

それを差し置いてもオドキンズたちの可愛らしさがとひたむきながんばりが覆い隠してます。

 



生きたぬいぐるみというとすぐ思い出すのが女流漫画家川原泉の「笑う大天使」の中の一話に生きたテディベアが出て来ます。(以下、記憶で書いてます)

 



ローレンス先生の親友でオペラ歌手のラインハルトが子供の頃から持っていたテディベアのぬいぐるみ。

孤独な少年時代を過ごしたラインハルトの唯一の話し相手になっていた彼ですが、ラインハルトが急死した知らせを受けると、パッタリと倒れ元のぬいぐるみに戻ってしまいます。

 

汚れてボロボロになった姿で…(書いてて思い出し泣きしそう)

 



日本人形はちょっと怖いですが、ぬいぐるみってかわいいですね。

UFOキャッチャーにはまった頃を思い出す…



 

意気揚々と旅立つオドキンズたち

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