かつて読んだ本シリーズ第8弾。
1890年に出版された、今で言うところのUMA図鑑。
本書にはファンタジーでよく出てくる、ドラゴン、フェニックス、サラマンダー、クラーケンという幻獣も多く紹介されていますし、
当時、まだ生態が良くわかっていなかったサイやセイウチなども含まれています。
また、その当時からさらに遡った伝承上の生き物や、象人間や一本足人間と言ったヒトの亜種も含まれます。
良く知られている動物でも、地方によってはいろいろと特殊な”味付け”がされた伝承もあって、
そういった事例を集めた本からの引用を中心に、著者なりの解釈を加えた文章になっています。
扱っている不思議生物の数も多く、400ページ近いボリュームで読み応えもあり。
各所に古い図版も入っていて、なかなか趣深い一冊。
いつの時代でも、人間の想像力は不思議な生き物や出来事を作り出すものですねぇ。
こういった事を楽しむ余裕があるのは良いことです。
ただ、最近のトンデモ本にはそういった余裕や遊びが感じられず、とにかくあるんだ、いるんだ、信じろという調子が強く、非常に残念です。
活字や映像になっているものを盲目的に信じる傾向も増えてるような気がしますが、疑う心も必要では?
何でも疑えとは言いませんが、自分で考えるといろいろと見えてくる、それも面白いですからね。
(とは言えついつい信じたくなる自分もいたり(^^;)