「吼えろペン」が漫画家の実態を赤裸々に(極端にデフォルメして)描いた作品だったのに対して、
本書は漫画やアニメの世界を目指す若者の実態を描いたのが本作。


当然、両方とも著者島本氏がモデルになっている事は間違いないですが、
「吼えろペン」が相当にギャグマンガとしての演出がかなりかかっていたのに対して、
本書は、かなりそれが抑えられ、史実(?)に則したものになっています。


なんと言っても本書に出てくる個人、団体名は原則本物の名称。


出版元の小学館は当然ながら集英社や講談社といった出版社や、
あだち充、高橋留美子、石森章太郎(当時)などの実在漫画家、
主人公の焔燃(ほのおもゆる)の通う大学の学友であり後のガイナックスで活躍する庵野秀明や
山賀博之、先輩の矢野健太郎など本物ばかり。
これだけでも資料的な価値がある、珍しく貴重なコミックになってます。


今回は夏休みを利用して自分の漫画を出版社に売り込む焔の話。
ジャンプやマガジンの新人賞が優勝賞金100万円なのに比べ、サンデーは50万円なのでこっちのが取り易いとか、
増刊サンデーは二軍だとか、サンデーはせこい!と見開き大ゴマ4ページ使って訴えるとか思わず苦笑するセリフが飛び出してます(^^;
結局、漫画はあきらめアニメに走ったけど書き方がよく分かってなかったりと、何も前進してない焔。
まぁ、若いうちはそんなもんです(^^)


個人的には焔がバイトするヒーローショーが「とんでも戦士ムテキング」ってのが懐かしかった(^^)
これはタツノコプロのギャグアニメですが、ヒーローのムテキングがローラースケート履いてる。
(その当時は流行ってたんだっけか?)
敵キャラが真っ黒なタコ型エイリアンのクロダコブラザーズ。
長男のタコキチの声は御大、大平透氏。時代を感じるなぁ…

出版社と一体になった暴露漫画。版権とか大変そう…
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