本年の読書第1号は1943年出版、サン・テグジュペリ「星の王子さま」
年末年始で読書から離れてたんで、リハビリを兼ねてボリュームの少ないものをチョイス。
操縦していた飛行機の故障で砂漠に不時着した”僕”は、そこで一人の少年に出会う。
少年は別の星からやってきた”王子さま”
一人しか住んでいない小さな小さな星から6つの星を旅しながら地球までやってきた。
”僕”は飛行機の修理をしながら”王子さま”の旅の話を聞き、友情を深めていくが…
以下はわたしの勝手な解釈。
”王子さま”は少年時代の純粋さの象徴。
”王子さま”の星は非常に小さく、少し歩けばすぐに一周できるほど。
少年時代の小さな世界の象徴。
”王子さまが旅する6つの星は大人になるにしたがって身に付けてしまう事柄の象徴。
王さまは権力の象徴。
大物気どりの男は名誉欲の象徴。
酒びたりの男は食欲の象徴。
実業家は金銭欲の象徴。
ガス灯を点けたり消したりするだけの点灯人は仕事人間の象徴。
地理学者は理屈ばかりで実践のない頭でっかちの人間の象徴。
人間は大人になるに従い色々な知恵を身に付けていくが純粋な心は徐々に失っていく。
本当に大切なものは目では見えない。心でさがすもの。
子供の頃、画家になりたかった”僕”は”王子さま”と出会うことで少年時代の純粋さを取り戻していく…
訳者あとがきでの著者おいたちを見ると、彼の人生の縮図がここにあるようです。
44歳で偵察飛行から戻らなかった彼は、そのまま少年時代に戻り、”王子さま”のように自分の本来いるべき世界に戻ったのかも。
本書は彼の遺作といってもいい存在という事も考えると、単純な子供向け童話としては片付けられない何かがある。
そう思わせる作品です。