デビュー25周年を記念したセルフカヴァーアルバム。


当初、アコースティックアルバムという噂が流れたので、大して期待してなかったんですが、
全く違った、実に大胆なアレンジが施された贅沢なアルバムになってます。


楽曲自体はハロウィンファンなら知ってる曲ばかりですが、その中でも特に印象的だった曲をあげると…


1曲目の「Dr.Stein」はホーン、ピアノ、男性コーラスによる非常に明るくノリのいいジャズ風にアレンジ。
元々、明るい曲ですが、能天気なまでに明るく楽しいナンバーになっており、思わずリズムを取りたくなります。


4曲目の「Where The Rain Grow」はゆったりしたバラード調に変身。
これも中々いい。


そして本アルバムのハイライトである5曲目の「The Keeper's Trilogy」。
これは「Helloween」「Keeper Of The Seven Keys」「The King For A 1000 Years」というハロウィンの代表曲のメドレー。
70人から成るプラハ交響楽団と合唱団による17分を超える大曲。
極端なまでに大仰でドラマチックな展開は、原曲の持つイメージを損なう事無く見事に昇華させています。


袂を分かち別の道を歩んだ人、亡くなったメンバー、解散の危機と言った彼らの25年の歴史と、
当時のわたしの状況をリンクさせて聴いていると思わずグっと来るものがあります。


本年度ベスト5に間違いなく入る作品。
これを聴くためだけに本アルバムを買っても損はしないだろうナンバー。


この後登場する6曲目の「Eagle Fly Free」には度肝を抜かれます。
ハロウィンの曲の中でも代表的なスピードナンバーですが、ここではアコースティックギターとパーカッションを使ったスローナンバーに大変身!
かなりの冒険ではないかと思われますが、聴き込んで行くとこれもアリと思えて来ます。


最後の11曲目「A Tale That Wasn't Right」は再びバックにオーケストラを従えて、アンディ・デリスが朗々と歌い上げる哀愁のナンバー。
これを聴いて改めてアンディ・デリスというヴォーカリストの巧さを実感しました。



1曲目の非常に明るくダンサブルな「Dr.Stein」から最後の「A Tale That Wasn't Right」のしっとりとした静かなエンディングというメリハリも利いて、実にすばらしいアルバムです。


彼らの新作が非常に期待できます。待ち遠しい。


このアルバムで本年最後のCDとなります。
実に充実感あふれる1年の締めくくりとなりました~(^^)



ちなみにわたしが買ったのは制作ドキュメンタリーとインタビュー映像の入ったDVD付きのもの。

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