書くネタが無くなって来たので(^^;、今まで読んだ本を時間をさかのぼりつつ紹介します。
まずは、オリヴァー・サックス「妻を帽子とまちがえた男」。
ロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウィリアムス出演で映画化された「レナードの朝」の原作者で脳神経科医のオリバー・サックス博士の1985年刊行本の文書化。
著者が実際に診た患者たちの症状の解説と共に人間の精神、脳の働きを探る24編のエッセイ。
表題の「妻を帽子とまちがえた男」は、人の顔を認識する事が出来なくなった音楽家の話。
他には、30年間の時間を失い、49歳であるのに19歳までの記憶しかなくなった男の話。
6番目の感覚を失った女性の話。
これは、第6感みたいに聞こえますが、体の状態を意識せず認識する感覚の事で、
たとえば頭を掻くといった行為は、手の位置を目で確認しながらするわけではなく無意識に行っています。
こういった行動が自然に認識できなくなる事で、物をつかむ、歩くなど何かするにも、今、自分の手が足がどの位置にあるかを確認しながらでないと出来なくなるそうです。
事故で手や足を失ったにもかかわらず、それがあるように感じるファントム(幻影肢、幻影腕など)については、
たとえば義手や義足をつける場合、ファントムがあった方が慣れやすいそうで、ファントムを意識させるような訓練をするそうです。
あと、自閉症の芸術家の話など、興味深い話が満載です。
内容は、専門的・医学的な用語が多少は出てきますが、それほど難解ではなく、わたしのような一般人でも十分に興味深く読めます。
なにより、脳の機能や精神についての不思議さが、実際の症状を元に理解しやすく語られており、ためになると感じます。
いつかは、なぜものを考える事が出来るのか、なぜ感情があるのかが解明できるのでしょうか?
解明して欲しいとも思うし、謎のままでいいとも思えます…