この作家は大変な寡作で、30年の著作期間で5冊しか書いてません。
その5冊全部読みました。
・「ブラック・サンデー」
・「レッド・ドラゴン」(全2巻)
・「羊たちの沈黙」
・「ハンニバル」(全2巻)
・「ハンニバル・ライジング」(全2巻)
全部映画化されてる。
すごいですね。
「ブラック・サンデー」はベトナム帰りのアメリカ人が帰国後、世間から虐げられた鬱憤をはらすため、
テロリストと組んでアメフトのスーパーボウルで爆弾テロを図る話。これに対抗するのが、テロリストを
追ってきたイスラエルの工作員とFBI。
処女作なので30年ほど前の作品。多少古臭いですが、中々に読ませる作品で、すでに彼の実力が
非凡なところが伺えます。
後ろ4作は説明不要と思いますが、稀代のダークヒーロー、ハンニバル・レクター博士の登場する
シリーズです。前2作は主人公ではなく脇役ですが、その存在感はすごい。
後2作は当然主人公としてガンガンに飛ばしまくってます。
とにかく彼のキャラクターが突出している上に、存在感も圧巻で、本当にいる人間ではないかと錯覚
してしまうほど。
映画でも描かれているように、残酷描写もすさまじく、痛さが伝わってきそうです。
この中では「ハンニバル・ライジング」は若干落ちるかなという気がしますが、あのレクター博士の若い
頃が描かれるというのは一見の価値ありです。
映画では、主にアンソニー・ホプキンスが演じていますが、原作では細いという設定なので、そこはちょっと
違いますが、それ以外の部分、冷徹さ・知的さ・残酷さなどは見事に演じられていると思います。
できれば「ハンニバル」の後のシリーズを読みたいんですが、1作毎の期間が6~10年開く事を考えると、
次は2012年以降になるのかな…