プジョー205ターボ16エボリューション2‘86「伝説のラリーカー、技術の粋を結集」 | Roll Runnerの日常

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プジョー205ターボ16エボリューション2‘86

Peugeot 205 Turbo 16 Evolution 2 '86ラリーカー

エンジン:XU8T

総排気:1,775cc

最高出力:455ps/8,000rpm

最大トルク:50.0kgfm/5,500rpm

パワーウエイトレシオ:1.99kg/PS

駆動形式:4WD

吸気形式:TB

ボディ:L3,820×W1,700×H1,353

重量:910kg

トランスミッション:5速MT

ホモロゲーション用市販版

エンジン:水冷4気筒DOHC

総排気:1,775cc

最高出力: 200ps/6,750rpm

最大トルク:26.0kgfm/4,000rpm

駆動形式:4WD

吸気形式:TB

ボディ:L3,820×W1,700×H1,335

重量:1145kg

トランスミッション:5速MT

 

「伝説のラリーカー、技術の粋を結集」

誕生背景

プジョー・205ターボ16は、1980年代初頭の自動車競技の世界において、特にラリーレースにおける支配的な存在となるべく開発されました。この車両は、国際自動車連盟(FIA)によって設定された新しい競技カテゴリ「グループB」に合致するよう設計されたもので、非常に高い性能と革新的な技術が求められていました。

1980年代当時、ラリーは自動車メーカーにとって極めて重要なマーケティングツールであり、技術のショーケースでもありました。プジョーは205ターボ16を通じて、その技術力とブランドのプレステージを世界に示すことを目指していました。このモデルは、一般市場向けのプジョー205のコンパクトなボディをベースにしながらも、完全に異なる獣として設計されています。四輪駆動システムやターボチャージャー付きのエンジンなど、最先端の技術が惜しみなく投入されたのです。

車両の国でおこっていた時代背景

1980年代のフランスは、政治的にも経済的にも大きな変革の時期でした。フランソワ・ミッテランが1981年に大統領に選ばれ、社会主義政府が誕生。国有化政策や社会福祉の充実などが推進されましたが、経済的には困難な時期もありました。その中で、自動車産業はフランス経済の重要な柱の一つとされ、国際競争力の強化が求められていました。プジョーもこの流れを受け、革新的な技術を駆使した新型車の開発に注力することとなります。

開発について

プジョー・205ターボ16の開発は、1982年に秘密裏に始まりました。グループB規定に適合するために、車両は200台以上の生産が必要であり、プジョーは市場に出る前に競技用車両としての性能を確保する必要がありました。このモデルは、従来のフロントエンジン・フロントホイールドライブの配置を捨て、中央に配置されたエンジンと四輪駆動システムを採用していました。

エンジンは、1.8リットルターボチャージャーで大幅にパワーアップされました。車体は、軽量化を追求し、繊維強化プラスチック(FRP)などの新素材を使用して製造されています。このようにして、205ターボ16はその驚異的なパフォーマンスで知られるようになり、グループBラリーの競争において大きな成功を収めることとなりました。

 

プジョー・205ターボ16の開発チームは、ジャン・トッドが率いていました。トッドは後に国際自動車連盟(FIA)の会長となるなど、自動車レース界において非常に影響力のある人物です。彼のリーダーシップの下、チームは革新的なアプローチと厳しい目標設定を追求し、結果的にプジョーをラリーの頂点へと導きました。また、技術面では、ジャン=ピエール・ブランホンなどのエンジニアが重要な役割を果たしています。

 

車両の性能

プジョー・205ターボ16は、その性能で自動車業界に革命をもたらしました。この車の最も注目すべき特徴は、中央に配置されたエンジンと四輪駆動システムです。これにより、車両のバランスとトラクションが大幅に改善され、高速での安定性と操縦性が向上しました。

エンジンは、1.8リットルの容量で、ターボチャージャー付きで最大出力は約450馬力に達します。このパワーは、短距離加速では特に顕著で、0から100km/hへの加速が約3.7秒という驚異的な速さを誇ります。この高性能エンジンと組み合わせられたのは、特別に設計された5速ギアボックスで、高速レースでの性能を最大限に引き出すように作られていました。

車体の設計においては、軽量化が徹底されており、車両の重量は僅か910kgに抑えられています。これは、繊維強化プラスチック(FRP)などの先進的な材料の使用によるもので、軽量ながらも高い剛性を確保しています。また、エアロダイナミクスも大きな焦点であり、ダウンフォースを最大化し、高速走行時の安定性を保つために多くの工夫がされていました。

プジョー・205ターボ16は、1980年代の自動車技術の革新と競技志向の結晶と言えるでしょう。その高性能と革新的な設計は、グループBラリーという極めて過酷な環境下での競技において、他の追随を許さないものでした。プジョーはこの車を通じて、ブランドのイメージを高めると同時に、モータースポーツの領域で顕著な成功を収めることができました。205ターボ16は、ラリーレースだけでなく、自動車技術の進化においても重要なマイルストーンとなり、後世に大きな影響を与え続けています。