ジャガーEタイプの初期モデルに搭載されていたエンジンは、"XK"シリーズの一部であり、3.8リットルの直列6気筒（Inline-6）エンジンでした。
このエンジンは「3.8リットルXKエンジン」として知られ、ジャガーの多くの車種で採用されていた名機の一つです。
3.8リットルXKエンジンの仕様：
型式名：3.8リットルXKエンジン
気筒数：直列6気筒
排気量：3,781cc
最大出力：約265馬力（198kW）/5,500回転
最大トルク：約35.5㎏/4,000回転
構造：鋳鉄製のブロックとアルミニウム製のヘッドを特徴とし、二重のオーバーヘッドカムシャフト（DOHC）を採用していました。この設計により、高い出力と効率を実現しています。
燃料供給システム：当初は双方向SUキャブレターを採用していましたが、後のバージョンでは、より高性能なウェーバー・キャブレターへと変更されたモデルもあります。
このエンジンは、その優れたパフォーマンスと信頼性により、Eタイプのみならず、ジャガーの歴史においても重要な役割を果たしました。
特にEタイプにおいては、このエンジンの搭載により、優れた加速性能と高速性能を実現し、1960年代初頭のスポーツカーマーケットに革命をもたらしたのです。
3.8リットルXKエンジンは、ジャガーEタイプの初期モデルに搭載されることで、その性能が広く認識されるようになりました。
このエンジンは、その滑らかな走行感と高回転時の力強い加速が特徴で、スポーツカーとしてのEタイプの性格を強く打ち出すことに成功しました。
また、エンジン自体の信頼性も高く、レース用途にも適していることから、多くのモータースポーツでの成功に貢献しました。
3.8リットルXKエンジンの影響は、その数値以上のものがあります。
このエンジンは、ジャガー車のアイデンティティの一部となり、ブランドのスポーツカーとしての地位を不動のものにしました。また、このエンジンは、後のジャガー車におけるエンジン設計の基礎を築き、高性能エンジンの開発におけるジャガーの評判を高めるのに貢献しました。
このエンジンの開発と成功は、ジャガーだけでなく、自動車業界全体における技術革新の重要な例として記憶されています。ジャガーのエンジニアリングチームによる革新的な設計と、その後の改良により、自動車の性能という面で新たな基準を確立したのです。