2年半働いた、愛知県岡崎市の採卵場。100名以上のスタッフを従える、業界じゃかなりの大手。
最後の出社日、私は朝礼で「お世話になりました」と挨拶。皆さん拍手。
8時~17時まで黙々と汚れ卵を拾い、2年半の勤務が終わりを告げました。
場長が「これ、みんなから募ったお祝い」と、餞別のお金とバスタオルを手渡してくれました。
最後に場長と小話でもと思ったら、定時上がりしたい場長、私が餞別を受け取るなりピュ~っと帰っちゃいました。
・・・何か、淡々としてんなぁ。別にお涙頂戴な展開が欲しいわけじゃないけどさ・・・。
広島の会社を辞める時、色んな方から惜しんで頂いて、私も在籍中に少しでも役立つべく東奔西走して、後輩の女の子に花束貰ったり、海釣り師匠に誘われた船でサメに出くわしたりとサプライズもありつつ、最後は美しい中国山地をバックにお世話になった人々から送り出してもらえて・・・あの時と比べれば、今回の退職劇の何と薄味なこと。
思えば、1月に30歳を迎え頑張ろうと意気込んでたのが、2月に糖尿予備軍宣告、心身共にどんどん具合が悪くなり、6月に鶏舎管理を外され退職決意、7月に退職と、2024年、アッサリ人生変わり過ぎ。
で、空になったロッカーを閉めて帰ろうとした、そんな私に話し掛けてきたのは、ベトナム人実習生のG君でした。
以前、「楽な仕事して高いお金もらうのズルいよ!」と私にブチ切れてきた子。
あれ以降、G君とはほぼ喋れておらず、向こうも気まずく思ってたんだとか。
彼は「あの時は忙しくてオレ、イライラしてたんだよ。怒鳴ってごめんなさい」と謝ってきます。
G君「もしかして、オレが怒鳴ったから会社辞めるの?」
T19「違う違う。俺の都合だし気にしないで」
G君「辞めるって聞いて驚いたよ。鶏舎に戻って来てくれたら、またニワトリのこと教えてもらいたかったのに」
T19「ありがとう。そう言ってもらえると、この会社で働けて良かったと思う」
G君「オレ、来年ベトナム帰って、帰ってからもニワトリやりたいけど、教えてもらったこと忘れないよ」
T19「俺も忘れない。G君みたいな子が居てくれたこと」
ここで漸く、2年半の楽しかった想い出がフラッシュバックして、改めて認識したんです。退職って選択は正しかった。
最後の最後にG君と和解の握手ができて快く会社を後にした矢先、ある御方からメールが。
「先日は遠方から面接に来て頂きありがとうございました。一緒に弊社をもっと盛り上げていきたいと思いました。8月から是非、弊社を宜しくお願い致します」
・・・さぁ手筈は整った!これで心置き無くこの地を去ることができる。ありがとう岡崎!楽しかったぜ岡崎!
取り敢えず記念に通販でポチポチっと・・・。
数日後、フィッシングウェアの一流メーカーたるmazumeより、大きな荷物が2つ私の元へ。
レッドムーンライフジャケット・ロックショアSPⅡ!ネオプレーンウェーダー!
13「いくらしたんだ?」
T19「普通に買えば4万円だが、タダで手に入ったも同然」
13「餞別を使ったな~」
T19「そういうこと」
13「From born till bone・・・墓に入るまで、か。マスター、最近やけになってないか?勢いで会社辞めるなんて」
T19「前々から悩んできた上での決断です。これでも努力の甲斐あって、糖尿の数値は改善したんだよ。でも、失った信頼を取り戻す自信は無い」
13「肝は?」
T19「・・・」
13「・・・」
T19「・・・子供の頃は、人生って果てしなく長いもんだと想ってて、早く大人になりたくて仕方なかったのに、いざ社会に出てみて思うのは、大人の世界って意外としょうもなくて、人生って意外と短い」
13「悩んだ割には抽象的な理由だな」
T19「俺が今、志すべきは3つ!親孝行と、8年養鶏やってきた経験を活かすこと!それから・・・」
7月22日深夜1時、生まれ故郷の大津にある、前回44センチのバスを釣った河川へ!
琵琶湖水系は豪雨の直後にカンカン照りが続いたせいか水位変動が慌ただしく、大増水してすぐ大減水しちゃった模様。
Newウェーダーを履き、カメラ、スマホ、ライン、ルアー、その他小物を収納したNewライフジャケット装着!
足元のぬかるんだ藪を堂々進み、本流に支流が注ぐポイントにエントリー!
支流にディープX100を投げたら速攻でボトム叩いたんでノイズィーでトップゲームへ。
泳いで来るルアーと私との距離があと3メートル程の所で、音も無く水面がヨレてフッキング!
グリングリン!とのたうち回るようなファイトで相手の正体を察し、ちょっと強引に揚げます!はい、ナマさんでした♪
ウォーミングアップは十分。いよいよ本流側をディープX200で攻撃します!
が、濁りがキツくてメガバスクランクじゃアピール不足を感じ、ショットOVER5にチェンジ。
ボトムの岩を叩き、不意に浮き上がらせ再度リーリングを始めた瞬間ゴツン!とHIT!
こないだの44センチより引く!こりゃ50アップだろ!?
という流れで揚がって来たのはジャスト40センチのバスでした(笑)。
時刻は3時半。あっと言う間に明るくなり、2人組のバサーのお兄さんが見えました。
散々デカルアー投げまくっちゃったことを伝えたんですが、「虫とスモラバでピンを狙おうか思てます」と仰ったんで、ポイントを譲り私は納竿。
T19「ま、新装備のデビュー戦としては悪くないでしょう」
13「親孝行と、養鶏と、あと1つはやっぱ釣りか」
T19「そういうこと」
T19「シビアになった滋賀でもきっと戦っていける。親と一緒に暮らせば恩返しもやり易い」
13「酸いも甘いも生きてく上では絶対必要だと、忘れるなよ。あとD軍の贔屓も頼むぞ」
T19「肝に銘じとくよ」
13「そう言うわけで、来月から琵琶湖水系が拠点となります」
オレノ「バスが釣れるならどこでも良いわ。それよりマスターが付いて来れるのかしら。体も心も」
13「糖尿に関しては改善したと言ってたけどな~」
アンカニー「我々がマスター様を鼓舞してサポートするまでです。琵琶湖と言えばトップウォーター。我々の活躍に打って付けじゃありませんか」
デビル「楽しみだねっ!車のお金が浮く分を、デビル達のパワーアップに充ててくれないかなぁ♪」
13「どうかな?給料は減るに決まってるし、金銭面は変わらんかもしれん」
ダーター「マスターは可哀想だが、覚悟の上の行動であるなら、先の展開が好転すると信じて、祝してあげよう」
今回の決まり手:ベリタス、プロガイドIM6+カルカッタ200XT+ナイロン25ポンド+ノイズィー、ショットOVER5