1日目、お昼12時。
T19「またHIT!?」
スクリーム「ルアー泳がす暇も無いね!」
T19「・・・沈ますより水面をさっさと巻いた方が好反応か!スクリーム!行ってみるか!?」
スクリーム「あたし海NGなんだってば。体に錆が出たら清潔感0よ」
T19「錆もルアーの勲章だと思うんだけどなぁ・・・じゃ引き続きスプーンで・・・はいHIT~!」
スクリーム「うわー凄い潮風・・・プロペラ外して来て正解だったわ。ねー旦那、そろそろ休憩しない?」
T19「お前、この入れ食い天国を楽しまなくてどうすんの!?愛知じゃ絶対あり得ない超常現象だよ!?」
スクリーム「でも今、4種類の魚が入れ替わり釣れ続いてるだけだしさ、ちょっと休んでポイント移動して、他の魚種狙っても良いんじゃない?」
T19「それもそうか・・・よし、ランチタイム!」
恋活婚活を一旦辞退して、釣りの予算に少々余裕ができて、20代のラスト、2泊3日で釣り旅行を楽しむことにした男T19。
尾鷲や敦賀じゃ近過ぎる。庄原も近い。もっともっと遠く!・・・で、やって来たぜ。鹿児島県奄美市、奄美大島。
スクリーム「遠すぎるんじゃぁぁぁ!」
T19「到着早々こんだけ釣れたら来た甲斐あるって」
スクリーム「よく思い付きでここまで来たよね・・・それと」
スクリーム「何でこんな天気悪いんじゃぁぁぁ!」
T19「しょうがないじゃん、自然相手なんだもん」
スクリーム「奄美ってもっとこう、雲1つ無い青空で海も透き通ってるもんじゃないの?一向に雨が止まないんだけど」
T19「予報は曇りのち晴れだったから、その内晴れるでしょ。さぁ飯買いに行こう!」
11時に奄美空港着陸後、すぐさまレンタサイクルのお店を当たり自転車借りて、雨降る海岸線をサイクリングしたら、磯と砂浜が混ざったような、いかにも魚が好みそうな地形が延々と続き、眼下の海、全てが1級ポイントに見える有様でした。
適当に海辺に立ち込み渓流用ルアーを投げたら、着水と共に無数の引き波がルアーに殺到、20~30センチ級の魚が入れ食い!
「俺、幻覚見てんのかな?」と思う程の釣れっぷり。なのに海岸に私以外の釣り人は1人も見えません。
釣り開始1時間弱で既に大満足な私T19、コンビニで昼食休憩・・・と思ったのに、コンビニ全然無いじゃん奄美!
コンビニ探してチャリ漕いで、アップダウンをいくつも越えて実に15キロ(!)、やっとファミマを発見!
そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで入れないんです。まぁ考えてみれば、空港からここまでファーストフードもファミレスも見当たらず、ファミマだけがオアシスのようにポツンとあるわけだし、混んで当然ですよねぇ。
調べてみたら、もう2.5キロ頑張れば食品はもちろん衣料、薬、日用品、そして釣具まで売ってるスーパーマーケットがあるらしく、レジ前で大行列ができてるファミマを諦め(ファミチキとか絶対売り切れてるだろうし)、そっちへ行くことに。
14時半、スーパー『ビッグⅡ』にて、昼食を買う前に釣具コーナーを物色(笑)。
私がいつも多魚種釣りに使ってるような小型ルアーは殆ど置いてなくて、代わりに船からの巨大魚狙いで使われる100グラムオーバーのドデカいルアーがズラリと並んでました・・・もしかしてこの島、岸の小魚釣りはあんま流行ってない・・・?
奄美のソウルフードと言えば『鶏飯(けいはん)』というつゆだくの鶏丼が有名だそうですが、「奄美まで来てニワトリ食うのもなぁ」と思い他を探してみたところ、海苔の代わりに卵で米を包んだ『玉子おむすび』ってのが手頃な値段だったんで購入。
奄美まで来て卵食うのもなぁ・・・でもメッチャ美味いコレ。
スーパーの側で腹ごしらえを済ませ、再び海岸に出るためチャリに跨ったその時でした。
見知らぬ女の子が「すみません」と声を掛けてきました。見知らぬ女の子が「すみません」と声を掛けてきました。
大事なことなのでもう1回書きますが、見知らぬ女の子が「すみません」と声を掛けてきました。
私は突然の、しかも想定の範囲を超えた事態にポカーンとしてしまい、女の子は「アタシの自転車の座る所が外れそうで怖くて、ちょっと診てもらいたいです」というようなことを言いました。
洒落たチャリに乗ってる私をガチなサイクリストと勘違いしたようで、「この人なら自転車直してくれそう」と思ったんだとか。
T19「コレがその自転車ですか?」
女の子「そうです。昨日から座る所がグラグラし始めて、どんどん酷くなって乗ってられなくなったんです」
T19「・・・あぁ、サドルの固定ボルトが緩んでるな。ってか、ボルトだけ?ナット噛ますスペースは無いこともないけど・・・下手なことせん方が良いか」
女の子「直りますか?」
T19「大丈夫です。ネジが緩んでるだけなので。そこのスーパーで工具買ってくるからちょっと待ってて下さいね」
女の子はとてもハキハキした口調で話すもんで、声だけ聞けばコミュ力のある大人びた印象なんですけど、外見は明らかに未成年で中学生か高校生ってところ。じゃあ邪な考えを持つのはNGだね。
スーパーに再入店。5ミリの六角レンチで良いはず・・・なんだけど、もしサイズが違ってて再々入店する羽目になったら格好悪いし(笑)、念のため6ミリと8ミリの六角も購入。インチネジだった場合はもう勘弁してくれ・・・。
T19「6ミリが正解だったか・・・これで良し!」
女の子「わぁグラグラが直った!本当ありがとうございます!工具のお金は出しますんで」
T19「いらないいらない!完璧に直ってる保証も無いし。もしまたサドルが動くようなら、自転車屋さんに診てもらって下さい。それじゃお気を付けて」
たかがネジ1本締めただけで一仕事終えた感を出し、格好付けてその場を立ち去る私。
女子に礼を言われるという熱い展開に同調するかの如く、雨が止み陽が差し込みます。海岸に着いて釣り再開!
程無くしてまた雨・・・しかし雨だろうが晴れだろうが奄美の魚はお構い無し。速攻で4種類GET!
コイツ等は本州にも居る見慣れた顔だなと思っていたら、後日の調査でみんな新魚種だったことが判明しました。
18時。
スクリーム「魚の活性が1番上がる時間よ!頑張りましょ!」
T19「・・・」
スクリーム「何してんの?」
T19「奄美大島にアカハライモリは居ない・・・背中に突起が無いからイボイモリでもない・・・消去法で」
スクリーム「旦那ー!?」
T19「アマミシリケンイモリだぁぁぁ!」
スクリーム「イモリの観察してる場合かー!」
T19「だってお前、奄美諸島の固有種だぞ!?本州じゃ絶対見れないんだって!」
私を見て逃げ始めた激レアイモリ君、目の前にある僅か数センチの段差を越えればすぐに草むらへ入れるのに、面倒臭がって物凄い遠回りしまくる鈍臭い姿に見惚れてしまい、気が付けば辺りは暗くなってました(笑)。
雨脚が強まり、セールで1万円で買ったシ〇ノのレインスーツ(定価は2万)に水が貫通。嘘だろシマ〇・・・。
奄美って南国かと思いきや、あんま常夏感が無く普通に寒いです。耐え切れず19時半に民宿にチェックインして、1日目終了。
今回の決まり手:トラギアPockebit's+月下美人MX+ナイロン4ポンド+イワナスプーン、アストラル、コソジグマイクロ、ダートマジック、ノレソレ3インチ(JH)