父「お前今年で30やろ」
T19「29です」
父「どっちにしてもなぁ、そろそろ結婚相手を探さなあっと言う間に汚いオッサンやで」
T19「汚いとか言わんで良いでしょ！」
母「まぁまぁ、焦ってワケの分からん女の人連れて来られても嫌やしなぁ、ゆっくり考えや」
T19（渋滞に耐え抜いてやっとの思いで帰省したら、何なんだろうこの食卓の空気）
弟「まずは友達感覚の彼女作ったらええやん」
T19「大学生のお前とは違って、俺は社会人なの！仕事がメインなの！」
弟「忙しかったらアプリがオススメよ。結構同じ趣味の人と出会えるもんやで」
T19「信用ならんね、アプリなんて」
所謂マッチングアプリってヤツが信用ならんと、何故断言できるかと言うと･･･
･･･こちとらその手のアプリほぼコンプリートしとるのに未だ１つも出会いが無いからじゃい！
かつて、先輩が「オレ、アラサーなのに独り身だよ！」と狼狽えてたのを見て内心小馬鹿にしていた私ですが、今自分が同じ立場になって、先輩の心情がハッキリと理解できてしまった、T19です･･･明けましておめでとうございます。
スクリーム「最高よねー！旦那の家族！新年早々「結婚しなさい」って超面白いじゃん」
T19「笑い事じゃないんだよなぁ。久し振りにアプリ漁るか･･･」
スクリーム「へー、年齢や出身地で相手探しできるんだ」
T19「それだけじゃない。身長体型職種年収、それに趣味とか、色んな条件で絞り込める」
スクリーム「まるで通信販売ね。ルアー買うのと同じ感覚で婚活できる時代かー」
T19「ま、俺は相手の容姿とか所得とか、んなモンに興味無し。定める条件は❝一緒に釣りができること❞ただそれだけよ！」
スクリーム「それはそれでどうなのよ･･･ちょっとプロフ見して」
初めまして！岡崎で、ニワトリちゃんの飼育やってます！生き物、特にお魚ちゃんが好きで、釣りが長年の趣味です♪
て言うか、明けても暮れても釣り、釣り、釣りのツリバカなので（爆）、こんな僕と釣りデートしてくれる方募集してます！
T19「どう？」
スクリーム「思ったより、おじさん構文ね･･･（爆）とかさ」
T19「素直な気持ちを書いたつもりなんだけどなぁ」
スクリーム「素直過ぎて釣りのことしか頭にないってバレバレなのよ。大体こんなプロフで「付き合いたい」ってなるワケないでしょ？書き直しましょ」
T19「これでどう？」
スクリーム「何でふざけるの」
T19「フレンドリーでユーモラスな感じの方が良いと思って」
スクリーム「あたしは真面目に旦那の心配したげてるのに」
T19「ごめん」
ﾋﾟｺ~ﾝ
T19「･･･え゛ぇ゛っ！？」
スクリーム「何？」
T19「いいねが来た」
スクリーム「え゛ー！？」
諦めかけてた所にいいね通知！やっぱ世の中よくできてます！
いいねしてくれたお相手は28歳、名古屋市在住、博物館巡りが好きなインテリ風女子！アプリ続けた甲斐があった（泣）。
俺の明るい未来は約束されたも同然！正月休みの間に髪切って服買って、洗車もしたいけど･･･先に釣り初めだ～！
愛車Nワゴンに乗り込み三重県桑名市の水路へ！
あけおめティラ君達！早速だが手合わせ願おう！
ちっこいルアー投げて巻いたらすぐHIT！10センチちょっとぐらいの魚が次から次に釣れる釣れる！
しかしこのポイント･･･岡崎から45分で、近くにはナガシマスパーランド、なばなの里･･･デートに打って付けじゃない！？
小１時間釣りを楽しんで、遊園地、温泉、イルミネーション･･･完璧やで！
よし満足。今日はこの辺にしとこう。
来るべき時に備え、床屋へ行って普段よりしっかり目に刈り上げてもらい、ガソスタで普段より高めのコースで洗車して帰宅！
翌日。
T19「･･･」ﾎﾞﾘﾎﾞﾘ
スクリーム「あー切られちゃったんだねー」
T19「うん」ﾎﾞﾘﾎﾞﾘ
スクリーム「何がだめだったの？」
T19「察して下さい」
スクリーム「何となくは想像できるけど･･･」
T19「クッッッソぁぁぁ！期待して有料会員登録したのに･･･」
この手のアプリは会員登録は無料です。相手探しも無料です。
が！いざ男女がマッチングした所、正にここから！って所で、「相手にメッセージ送りたいなら金払ってね」と来る凶悪仕様。
いいねが来て舞い上がった私T19は、言われた通りホイホイとお金を払っちゃったのです。
で、心を込めてお相手にメッセージ送ったら悪口言われて音信不通･･･サクラだったのかな･･･世の中、世知辛過ぎる･･･。
T19「よし！いつまでも失恋を気にしてても何も変わらん！今回のお付き合いをバネにするんだ！」
スクリーム「これって旦那の中では❝付き合ってた扱い❞なんだ･･･」
T19「それじゃ俺は、男を上げたいので、お店の女の子にコミュ力鍛えてもらってきます」
スクリーム「そういう所よ？」
と言うわけで、正月休みの〆は景色の良い部屋で60分１万４千円。
交通費とホテル代込みでこの値段というお得なコースです。何のお店なのかは書きません。書けません。
T19「･･･」
女「･･･」
T19「あっ、あっ、ちょっと部屋暖まってきた！寒かったっすよね～」
女「そうですね･･･」
T19「･･･今年は雪は降らんけど寒いもんで」
女「･･･」
T19「･･･あれ？こ、この辺の人じゃなかったですか？」
女「熊本･･･」
T19「え？何です？」
女「熊本･･･」
T19「へぇ！と、遠い所から！良いなぁ僕も行ってみたいっすわ熊本･･･」
女「･･･」
T19「･･･また何か冷えてきたような、エアコンの調子悪いんかな？寒くないですか？」
女「大丈夫･･･」
･･･会話弾まねぇぇぇ！
いや、解かるんですよ。私のトークスキルが終わってるのが１番の問題。でも、相手も相手で、会話する気をまるで感じない！
俺のこと、心ん中でボロカスに言ってんだろなぁ絶対。
つっても、一応はサービス業なんだし、目も合わせず黙り込むんじゃなくて、ちょっとは話を広げてくれても良いじゃないか！
「寒くないですか？」って聞かれたら、「私は大丈夫です！お兄さん風邪引いてるんじゃないですか？」ぐらいの返事はしてくれたって良いじゃないか！こっちは気温のことぐらいしか話題が無い中で必死にやっとるんだ！
ちょっと嫌な感じの子に当たっちゃったな･･･これで１万４千か･･･釣り遠征５回分のガソリン代に使っとけばどんなに有意義だったか･･･。
そう考え出したら私もちょっと納得がいかなくなって、やや気が強くなって、「ねぇ、ずっと元気無いけどホントに大丈夫か？しんどかったら無理せんで良いよ？」と、大きめの声と砕けた口調で言ってみる。
敬語で話してた小男が急にタメ語になったもんだから相手の女の子は驚いた様子で、「い、いや、大丈夫ですよ！確かにこの部屋エアコンの効き悪いですよね！私も入った瞬間「寒っ」て思いました！」と急に饒舌に。
怖がられちゃったかな･･･時間が来ると女の子は逃げるように帰ってしまい、すっかり暖まった部屋に独り取り残された私T19。
ダメだこりゃ。
今回の決まり手：アモルファスウィスカー・ファントム562ULF＋月下美人MX＋ナイロン４ポンド＋サーヴァントスピア