T19「アンバーDC-５を彫ろうと思います！スクリーム！必要なモノは？」
スクリーム「え？･･･彫刻刀のセットかな？今までカッターナイフ１本だったし」
T19「違うな。道具なんて何でも良い。ルアーが木の中に埋まっているのを掘り出すまで。彫刻とはそんなものだ」
スラ「イキったこと言うじゃん。アンタに必要なのは先を見通す力だね」
T19「その通り！物事の本質を見据える第６感！優れた感覚は優れたルアーデザインに繋がる！」
スラ「いや、そういう意味で言ったんじゃないんだけど」
T19「ですから、俺は旅に出ます」
スクリーム「何で？」
と言うわけで７月25日、長野県飯田市、遠山郷へ！希少種『ヤマトイワナ』の生息地！
地図で見たら岡崎からそんな離れてないように見えるんだけど、山道が長過ぎて結局３時間もドライブしてました･･･。
朝８時。南アルプスの山々が斜めに視界を隠して、遠い青空まで伸びています。
すぐに遊漁券を買おうと漁協へ向かうも開いておらず、観光協会のサイトで❝遊魚承認証取扱者❞の一覧に載ってる肉屋、民宿などを尋ね歩くも、「ごめんなさい、置いてないんですよ」とのこと･･･。
観光協会に直接聞こうにも営業時間は10時からだそうで、そんなに待ってられないし･･･困ったなぁ。
ガソリンがだいぶ減ったんで小さなスタンドに立ち寄って、店員のおばちゃんに「この辺で遠山漁協の遊漁券買える所ってありますかね」と何気なく聞いてみたら、「あぁウチにありますよ」と一言！
T19「９時半、遊漁券確保～！」
アンバー「！」
T19「次はポイント探しだ！早く釣りしてぇ！」
面白そうな沢へ車を走らせると、山道は狭まり、大型トラックが次々正面から現れ、その度に離合できる所までバック･･･。
「何か嫌な予感するなぁ」と思いつつポイント着。そして予感は的中。沢の上流で大規模な工事をしていて、水は真っ茶色。
ここは捨てるしかない･･･まぁせっかく遠山郷に来たんだし、メインの遠山川の、車で行ける最上流まで行くか！
で、更に山道を進んで辿り着いた最上流部は車だらけ。
それも竿が積んであったりダイワのステッカーが貼ってあったりで、もう明らかに先行者だらけなのです（泣）。
みんな考えることは同じで、遠山郷に来た以上ヤマトイワナ釣りたいんだろうなぁ。
ともかく、叩かれまくった後を釣り上がる気にはなれないし、またしても移動。
既にだいぶテンションが下がってる私T19（笑）、人気の無さそうな小さい支流にエントリー。時刻は13時。
正に谷底って景色ですが、陽当たりは良く明るい渓流です。プエラノをキャストすると、いきなりチビアマゴのチェイス！
T19「今日はアマゴの気分じゃないんだよなぁ」
アンバー「？」
T19「ヤマトイワナ、どうも強そうだな。何でもゴギよりも強いんだってねぇ･･･」
CD「ごぎには白い斑が有って、やまと岩魚には橙の斑がある。両者の違いはそれぐらいですよ」
T19「カウントダウン！」
CD「ただ、やまとの正念場は沢登り。釣り自体はそう難しくはありません」
T19「それを見越してガチ装備で来てるじゃん」
CD「どうですかね。少なくとも予には、そこらの里川でやまとを見た記憶はありません。深い深い危ない山奥でしか」
沢登り開始。時間が無いし、景色が開けてる内は１級ポイントにだけキャスト。すると漏れなく小アマゴのチェイス。
やがて川が細くなって、木々が張り出した幽玄な雰囲気になってきました。
「イワナエリアに入ったか！？」と期待するも、ここで滝が連続している難所に直面･･･。
一旦沢を上がって山の斜面を伝い上がらねばなりません。
が、この山、足場が異様に緩く、手を掛けた石は浮石、踏ん張ったら土砂が崩れ、文字通り１歩間違えたら沢へ滑落という有様･･･間違い無く、過去１危険な渓流です。
木の根っこを命綱に、体重の掛け方に気を付けて難所突破！
沢に下りて、ここからはグレートハンティング55で丁寧に攻めていきます。小さな落ち込みで早速アタック！バラし。
今度は瀬に突き出した岩の側でバイト！オレンジ色の腹をした魚が一瞬見えて、そしてフックアウト･･･。
T19「イワナだったな･･･」
CD「そろそろ下山のことも頭に入れた方が好い時間です、主殿」
T19「よし、カウントダウン！」
CD「確実にやりましょう。CountDownElite55！」
必殺のCDEで淵をゆっくりタダ巻き･･･ゴッ！来た来た今度はミスらんぞ！･･･ってまたバレた！何で！？
そりゃシングルバーブレス１本だからフッキング率下がるのは当然だけど、いつもはここまでバレないぞ？
CD「どうも当たり方が粗暴過ぎる」
T19「どうしよう、Dコン使って」
CD「手は有ります･･･CountDownElite35！」
T19「35って、3.5センチ！？」
CD「そう！予の一張羅Eliteを極限まで縮小した姿！近距離戦であれば、如何なる魚でも取り逃がしません！」
CD「って、何ですかその顔は･･･」
T19「いやぁ、だって･･･ただでさえ釣れるカウントダウンの、バージョンアップモデルの、更にマイクロサイズて･･･そこまでやっちゃう？」
CD「なっ！？予はねぇ！去年君の釣りに付き合ってつくづく苦労したんだ！酷使された挙句、好き勝手批評を書かれた予の気持ちが解かるか！？大体君の評論は浅はかでいかん！ルアーの動きとは糸の号数やら竿の硬さでいくらでも」
T19「分かった分かった！エリート35か！楽しみだなぁ！ヤマトイワナを連れて来てくれ！」
CD「･･･仰せの通りに」
上流から下流へ流れに押されるように泳ぐカウントダウン。
ラインがピンと張ると同時にクルリと上流側へ向きを変える動きを、魚は見逃しませんでした。
ドラグを一鳴らしさせて、飛沫が跳んだと思ったら、大口のおっ開いた怒りの横顔が忽ち浮き上がる！
体勢を整えようとする魚。間髪容れずネットを突っ込んで、勝負有り！
尺は無さそうだけど良いサイズ、そして素晴らしい色合いのイワナ！頑張った甲斐があった～！
弱らせないようネットごとイワナを水に浸け、しばし観察。
アンバー「･･･！」
T19「ちょろっとだけ白い斑点も見えるなぁ。ニッコウイワナってヤツじゃないの？」
CD「いいえ。日光の白斑はもっと高密度です。この個体はやまとでしょう」
T19「お前がそう言うんだしそうか！流石！反則版エリート」
CD「反則とか言うな！」
T19「18時、作戦終了！下山しよう！」
ヤマトイワナを拝むことはできましたが、岡崎→飯田を３時間、遊漁券買うのに１時間半、ポイント探しに３時間半、釣りを５時間、夕食１時間、飯田→岡崎を３時間というハード釣行となり、良くも悪くも遠山郷の秘境っぷりに圧倒された１日でした。
もちろんこの令和の時代、街から短時間で行ける安全な釣り場が、昔ながらの希少種を蔵しているはずもありません。
ルアー作りのインスピレーションは嫌と言うほど湧き上がってきました♪
釣行の翌日、注文していたロッドとリールの内、リールの方が先に到着。ダイワ『月下美人MX』2000番モデル！
１万４千円と、私にしちゃ高いけどダイワリールとしてはだいぶ安いアジ、メバル専用リール。ロッドも早く来ないかなぁ。
今回の決まり手：アモルファスウィスカー・ファントム562ULF＋サハラC2000HGS＋PE４ポンド＋CountDownElite35