1月28日、会社の先輩がコロナに感染し、接触者である私はすぐさま病院へ向かい検査。結果は・・・陽性。
帰宅後1時間ぐらいはどうしようもなくボンヤリして、会社や保健所からの電話にも淡々と対応。
自分の身に起きていることが信じられない中、息が上がり、鼻水が出始め、眩暈がして歩き辛くなってきました。
そして夕方・・・新型コロナウィルス感染症、発症。
すぐに保健所へ連絡したところ、“1月28日~2月6日までの10日間の自宅療養(外出禁止)”が決定。
これにて、2月上旬の予定は全て白紙となってしまったのでした・・・。
T19「さ、38.7度・・・フラフラする・・・意識が飛びそう・・・これがコロナか畜生・・・」
ティンバー「動かんと寝なあかんて!」
T19「ふざけるんじゃないよ・・・この2年、クソ真面目に防疫してきたこの俺が!何で!何でこんな所でぇぇぇ!!」
バタッ
スクリーム「完全に悪役なんだよね台詞が」
白「ま、あれだけ意識高いことばっか言ってて感染するって、結構な辱めだろうからね・・・」
高熱にうなされながら見たのは、玄関口でドアを塞ぎ座って笑う坊主頭の男の夢と、「コロナが移るから寄らないで!」と会社で差別される夢の2本立て。
悪夢から覚めたのは29日の朝7時過ぎ。熱はすっかり下がって36.6度。呼吸も落ち着き眩暈も無くなって、軽い鼻詰まりが残ったのみ。
長い闘病を覚悟していただけに、こんなに早く沈静化したのは驚きです。
かつてネット上に広まっていた、「コロナはただの風邪みたいな物」という評にも納得。
しかしながら発熱中は本当に苦しく、一歩間違えば重症化してしまいそうな危うさも身を以て体感致しました。
さて、症状は殆ど治まったものの、あと9日の引き籠り生活が待ち構えてます・・・。
我がアパートは、2階建てで上下に1部屋ずつ。1人身には随分と広いから森閑としたものです。
T19「当分はここに封印されなきゃならんのか・・・」
スクリーム「お寿司届いたよー」
T19「あ~美味い!美味いけど金掛かるよなぁ出前は」
ティンバー「味覚はあんねんな」
T19「不思議とね。それに食欲も旺盛。体感的には元通りなのに、1歩も家から出れんって辛いなぁ」
スクリーム「9日あったら超遠くまで釣りに行けるのにねー」
T19「口惜しくなること言うなよ・・・」
しかし、9日間もじっと寛げるなんて何年振りのことでしょうか。
昨年末はフリーな時間はあっても就活やら引っ越しやらで忙しく動き回ってましたから、本当に何もしなくて良い時間というのは非常にレア。
ふと立ち上がってボスコを手に取る。手元から殺気が穂先へ集まって行くのを見て、思わず振り抜きたくなります。
外出を禁じられようとも、俺はアングラーだ。この時間は無ではない。無にしてはいけない。有意義な9日間にしたい。
T19「次に釣り場へ立てる時、迷わず一撃で獲物を仕留められるよう、完璧に準備しておこう」
スクリーム「具体的には?」
T19「インターネットだ!愛知県の釣り情勢を完璧に網羅する!」
ティンバー「いつもと変わらんやんけ・・・」
T19「それぐらいしかやること無いんじゃい!」
愛知って釣り人口に対してフィールドの規模が小さいのではないかと危惧していたのですが、拘らなければ釣り場自体は星の数ほどあるらしく、調べれば調べるほど情報が出てくる!
そりゃあ、バスのロクマルポイントだとか青物の接岸ポイントなんかは複数のSNSで大々的に公開されちゃってて、大物釣り師や数釣り師にとっては、なかなか難しいエリアだとは思います。
が、私T19はルアーで釣ることができるなら特に拘らず、あらゆる魚種を相手にするスタンス故、別に困ることは無さそう。
ネットサーフィンをしつつまだ見ぬ魚達に想いを馳せていたら、29日は過ぎ去って30日に。
「今日はルアーを作ろう!」と思い付き、問題だらけだったアンバータイガーを進化させてやることに。
3センチのアンバーを4センチにサイズアップさせて、フラットサイドフォルムを強調。
動き過ぎでバランスを崩さないよう、リップを気持ち短めに取り付け。エナジードリンクを決めながら作業を進めて・・・完成!
T19「アンバータイガーDC-2!」
ティンバー「どや?動き易そうか?」
アンバー「!」
ティンバー「ゴワゴワで包帯巻かれたミイラみたいやで」
T19「太陽が出たら化けるんだよ!今回はシェルシートを2重で貼ってるから、木目は見えんがフラッシングは倍増してる!更にリアにアイを付けたことで、フック追加、ブレードチューンにも対応可!」
ティンバー「胸のヒレは?」
T19「ちょっとまだ再現できなかったです」
ティンバー「はぁ・・・」
その後、過去の釣行写真を整理したり、リールのメンテしたり、31日、1日、2日、3日と日付は進みます。
が、2月4日と5日はとうとうやることが無くなって、ただいい加減に過ごすことしかできませんでした。
やっぱ長い。長過ぎる。コロナそのものより自宅療養の方が息苦しいじゃないか!
そして2月6日、保健所から直々に療養終了を言い渡され、晴れて7日に職場復帰。
先に見た悪夢が正夢となって差別されるんじゃないか、出勤途中の車内で怯えまくっていた私ですが、事務所に入ると「災難だったね!よく帰って来た!」と皆が笑顔で出迎えてくれたのでした。何でこんなに優しいんだみんな・・・。
そして24日!朝7時に起きてのんびり高速道を走り、愛知県常滑市へ出撃!
グーグルのナビに従って有料パーキングに駐車。ゆったり歩いて、向かうは最寄りの護岸!
マヅメは終わっている。風が強い。然れども俺は焦らない。何故なら!練りに練った作戦が頭の中にあるから!
とあるサイトに載っていた護岸の写真。敷石が形成するブレイクに海藻が生えたくり、一目でキジハタの好ポイントと解かる。
しかもブレイクまでの距離がとても近いため遠投の必要が無く、強風下でも釣り易くて、食わせの釣りもし易い。
コロナ療養中にその写真のピンポイントを割り出したので、この度、一撃必殺にて仕留めに掛かる!
到着!・・・あれ!?おかしいな?写真と違うじゃん・・・ブレイクが無いじゃんか・・・。
実に愚かな私T19、潮の満ち引きというものを計算に入れていなかったのです。
ネットで見た写真は満潮時のものだったらしく、現在は干潮。敷石は地上に顔を出して陸となり、ブレイクが波打ち際と化していました・・・。
おまけに護岸から敷石へ降りれないようになっていて、最早狙える場所は、石と石の隙間にできたタイドプールのみ(泣)。
それでも「ギンポとかなら居てくれるんじゃないか」と、縋るような想いでパワーイソメのジグヘッドリグを落とし込んでみる。
突如ラインが張って、何かがバタつく手応え!よっしゃ何か来た~!この水深で、このアタリ方、ちっこいムラソイと見た!
・・・えぇ!?タケノコやないか!
釣れたのは『タケノコメバル』の若魚。
本来タイドプールに居るような魚じゃないはずなんだけど、私同様、潮を読み間違えてプールに取り残されてしまった天然君なのかも。
てことで、退屈な自宅療養を少しでも有意義に過ごそうと努めたけれど、結局は有って無いような、無くって有るような時間となったのでした。
もう3月。次の釣りに切り替えるとしよう・・・。