Uさん「お話良いですか?」
T19「まだ上がってなかったんか。定時過ぎてんで」
Uさん「・・・会社辞めちゃうって聞いたんですけど、本当なんですか?」
T19「本当。実家が忙しくなってな」
Uさん「・・・あの、できたら会社辞められた後も、仕事で解からないことあったら電話させてもらって」
T19「止めときな。俺はそんな大したヤツじゃないよ」
Uさん「でも、先輩が色々教えて下さったお蔭で早く仕事覚えることができて、真面目に支えになってるんで!」
T19「言ってもたったの1ヵ月ちょっとよ。ましてや、大事な後輩の育成を投げて他所へ行くような奴だ」
Uさん「でも不安なんですよ!場長は、次の現場リーダーを私にしたいって言い出して!」
T19「言っただろ?この業界じゃ若いってだけで貴重な存在なんだよ。出世のチャンス」
Uさん「でも!入社1ヵ月の私にリーダーって、ハッキリ言って怖いです!!」
T19「大丈夫。俺はもうちょっとこの会社に居るから、まぁ任しときな」
最後の最後に、こんなに私のことを頼りにしてくれる後輩(しかも女の子)ができたのは、嬉しいかな哀しいかな。
けど今は、この会社に、広島県に、中国地方に未練を残しちゃいけない!会社に在籍する12月15日までに、やるべきことはやらねば!
T19「もしもし?今お時間宜しいでしょうか?はい、衛生管理区域についてご教授頂こうかと思いまして。はい、交差汚染防止のために専用の通路を設けようと思うのですが・・・」
T19「場長、超音波ミニウェルダーの稟議の件はどうなりましたか?・・・なるほど、ではもう1度社長へ連絡をお願いできますか。今後設備が老朽化したら、ウェルダー買うか専属の修理業者の確保は必須です。スペアのベルトの注文も合わせて・・・」
T19「Mさん、前に土日のバイト探してるって仰ってたじゃないですか?丁度今、ウチの会社で焼却灰を運ぶのに男手が欲しいって話になってて。あぁ肉体労働はありませんよ。社員がリフトで軽トラに灰積むから、それを処理場へですね・・・」
T19「FL208なんですが、特に仕様が変わってなければ過去に送ってもらったのと一緒で。とにかくベアリングの交換を複数、短い期間でやることになったので、10個はあったら助かるかなぁと・・・」
T19「ふぅ忙しい・・・!」
ラスカル「頑張るねぇ。どうしたんだよ目の色変えて」
T19「男は格好付けであるべし。格好良く退職したいんだよ俺は」
ラスカル「今度の20、21日は行かないの?管釣り」
T19「管釣りはまだかな。今度の休みは斐伊川水系でリベンジだ」
ラスカル「何の?」
T19「シーバス!」
10月20日、月夜の斐伊川。古代より「ヤマタノオロチ」と呼ばれ恐れられた川。今年はホント、この川にお世話になりました。
流域に点在するオロチ伝承地を横目に、斐伊川河口に広がる宍道湖へ!
塩分濃度が低い宍道湖は、個人的にはあんま実績の無いエリアなんですが、ネット情報によると結構釣れてるそうで、騙されたと思ってやってみることに。頼むぜ!CountDown9!
とにかく投げて巻いて、ちょっと歩いてまた投げて巻いて、かなりの長時間宍道湖をランガンして、結果は無。マジで騙された気分・・・。
宍道湖から更に下流、塩分濃度が高い中海に移動。1月にクロソイを釣った場所から近い、ゴロタ浜にてカウントダウンをキャスト!
T19「おっ!今アタったんじゃない!?」
CD「・・・」スイスイ
T19「カウントダウン!今のは?」
CD「鯔です。されどもご安心を。鮬も泳いでいましたよ」
T19「セイゴて、30センチぐらいのか」
CD「鯔を狙うような素振りは見えなかったですね」
T19「ボラは中海のどこにでも居るしなぁ、パターンにはならんだろ」
月の光が常夜灯のように明るく、風で小波立った水面へ、ひたすらキャスト。
日付が21日に変わった頃、それまで表層を通してたのを、一気にレンジを下げてボトム近辺を攻めてみることにしました。
沖の方は砂地で水深があり、ゴロタが積み上がってブレイクができているような感じ。
カウントダウンが岩に接触し、そのまま駆け上がるように泳いで来るその時・・・ゴンッ!!バシャバシャンッ!!
T19「よっしゃ!!・・・あ、バレた・・・」
CD「・・・」スイスイ
T19「今のは!?」
CD「福子です」
T19「フッコて、50センチぐらいか」
CD「妙だな・・・這いずる動きに反応が好いとは・・・」
T19「中海の沿岸でボトムに居るベイトねぇ」
CD「・・・鯊か。では!」
CD「CountDown11!」
T19「ボトム削って体大丈夫か?」
CD「ええ。大分前に、黒鯛相手に底の釣りをやり込んだものです」
カウントダウンの標準モデル中、最も大きな11センチサイズですが、デカいリップが邪魔をしてるのか、飛距離はあんまり伸びず(笑)。
底を取ってフラフラとリーリングすると、程無くして岩場に差し掛かりました。そしてゴツン!!バシャン!!
T19「あぁぁぁ!!またバレた畜生!!ジャンプ1発だったな」
CD「浅い!食いが浅い!もう一工夫要るのかもしれない・・・」
T19「底を擦りながらだと、どうしてもアクションのキレは無くなるか・・・」
CD「仕様が無い。この姿は疲れるから気が進まないが・・・CountDownElite!!!」
T19「おぉイワシカラー!中海にはあんま居なさそうだけど」
CD「鰯が嫌いな鱸は居ない」
カウントダウンエリートの7.5センチモデル。たった10グラムしか無いのに、これまでが嘘のような飛距離!
巻き始めるとピッチの速い振動が指に伝わって、自ずとボトムより僅かに上のレンジをキープしてくれてる!
数投目で、ズシッと重たい感触。ゆっくり竿をストロークさせたら、一気に走り出すライン!!
しかしこのアタり方、引きの強さと重さからして、どうもボラっぽいな・・・。
あんまりにも引きが激しいもんで、ボラのスレ掛かりと判断し、ドラグを緩めにして気軽に対応していた私T19。
ところが、水面を割って飛び跳ねた魚が、エラを広げて頭を振り回す姿が月光に照らし出され、状況は一転。
ヤベっ・・・シーバスじゃん・・・デカいじゃん・・・。
正直「30~50センチぐらいのがポロポロ釣れたらそれで良いかな~」位の意識で釣りしてたので、想定外の相手に驚愕。
寄せたと思ったら走られ、エラ洗いする度にヒヤヒヤしつつ、目の前まで来たかと思いきや、またしてもフルパワーで暴れ出した魚!
けれどヤツは勢い余って自ら岸に突っ込んでしまい、その上から胴を押さえ、下顎を掴んでランディング成功!!
釣り仲間に「30センチのスズキ釣りました」なんて言ったら、「いやそれはセイゴよ」と訂正されるのがお決まりで、面倒になって一括りに「シーバス」と呼んでいた私ですが、今釣ったこの魚に関しては、明らかに『スズキ』と言える!!
サイズを測ってみたら、75センチ。これまで釣ったシーバスの中で最大が66センチだったから、自己記録更新!!
しかしながら、これでもランカーとされる80アップには及ばないし、釣り雑誌の文面でよく見るメーター級はどんだけえげつないのか、記録更新の嬉しさよりも、シーバスフィッシングのスケールのデカさに感心してしまったT19でした。
CD「終わったかと思ったよ。もっと腕を磨くべきですな、主殿」
T19「何でよ、ちゃんと釣り上げただろう」
CD「予の口先をよく見てご覧なさい」
T19「・・・うわっ!スナップ開いちゃってるじゃん!」
CD「糸はぼろぼろ、針は伸びている。もう一走りされたら負けていた可能性が高いでしょう」
T19「うわぁ・・・」
魚は浅瀬で落ち着かせてからリリース。斐伊川水系の懐の深さに触れ、満足して納竿♪
オロチは濁流となって生き物を殺し山を壊すけれど、同時に豊かな生態系を育ててきた清流でもある、正に斐伊川そのものでありました。
CD「庄原市の管釣りが開いたそうですよ。どなるどそん鱒が放流されたとか」
T19「ドナルドソンかぁ、奴等ってニジマスとどう違うんだ?」
CD「正直な話、雰囲気で見分けるものですよ。種としては虹鱒なのですから」
CD「おや、この子復帰したのですか」
T19「あぁ、どうにかこうにか。今は推しが7人に増えた。箱推しってヤツか。みんな凄ぇ頑張ってるんだよ」
CD「全く、頑張ってさえいれば何人でも好いのですね」
T19「まぁな」
今回の決まり手:インフィート・エクストリーム+コンフリクト3000+PE12ポンド+CountDownElite75