春はもう終わる。されども今から、俺の春がやって来る！かもしれない。
先日、海釣りの師匠であるMさんから「16日にワシの会社の女の子２人呼んで広島湾出るんじゃけど、お前も行くか？２人の内１人は彼氏募集中で！」とのお声掛けがあり、超絶彼女募集中の私T19は「行きます行きます！！」と即答致しました（笑）。
話では、Mさんが連れて来るのは事務員の女子２人（26歳、28歳）。アウトドア好きな子で、釣りに誘ったら乗り気だったらしい。
更にジギング、タイラバ、泳がせ、サビキ、何でもOKな船を予約してくれたそうで、これはタイかブリでも釣って、格好付けなくてどうする！
５月10日、休日。16日のことは一旦置いといて、この日は渓流釣り♪
深夜から出発。斐伊川へ行きたくてしょうがないんですが、県外移動自粛要請は解かれてないし･･･どうしよう。
T19「どうせ山ん中で誰も居ないから、県境周りなら･･･いやでも･･･」
CD「ここまで来てしまったら斐伊川に入ったも同然です」
T19「いや、やっぱ辞めた。うっかり県境を越えちゃうかもしれん」
CD「そうまで深く体裁に拘る必要がありますか？」
T19「これは人間としてのプライドの問題だ。世間に背いてまで魚を釣るような真似は、とても理性的とは言えん」
CD「ではどこで釣りをするんです？」
T19「ちょい待ってよ。地図出すわ」
広島県の河川マップを広げると、庄原市内の山中に、“どこの漁協の管轄にも当てはまっていない川”を発見。
漁協が管理していない＝無料で渓流釣りができるってことですけど、それはつまり魚が放流されていないことを意味します。
トラウトが居るとすれば、完全に野生の個体。簡単ではない。しかし腕試しも面白そうだし、そこへ行ってみることにしました！
午前７時、入渓！透き通った水質で、爽やかな緑に覆われた素晴らしいポイント！
CountDown３！
水深があって流れが強過ぎない区間を通したところ、何やら灰色っぽい魚影がチェイス！イワナか？ヤマメか？それともカワムツか？
魚は私に気付きUターン。カウントダウン曰く、「山女の若魚でしょう」とのこと！なら後は食わせるのみだぜ！CountDown１！
カウントダウン最小モデルで釣り上がって行くと、結構な頻度でチェイス有り！
CD（おかしい。山女にしては見切りが遅い･･･前回、日本の若いミノーに出し抜かれ口惜しい思いをした以上、今日は何としても渓魚を仕留めてやりたい。あれ以来、無念やるかたない思いである。予は我慢の足りないルアーかも分からない･･･おや？）
CD「主殿！釣りを止めて下さい！」
T19「どした！？」
CD「山椒魚が居ます」
すぐにルアーをロッドに引っ掛け、上流へ進むと、岸際の一角に茶色い影が蠢いていました。
大きな頭に粒のように小さな白い目、太い指の付いた四肢、平たく長い尻尾･･･『オオサンショウウオ』です！
T19「うわでっけぇ･･･70センチはある！堂々としてるなぁ」
CD「いえ、びっくりして身動きとれなくなっているのでしょう。無防備に岩屋から出て、我々とばったり出くわしてしまったのです」
２年前に別の川で見た個体は、夜中だったんでじっくり観察できなかったんですが、今回は細部までその姿を拝むことができました。
オオサンショウウオは特別天然記念物故、捕まえることはもちろん、触れることすら禁止。刺激しないよう、そっと通り過ぎました。
更に釣り上がると、木々が減って開けた景色になり、陽射しが川を明るくしていました。
水上には羽虫が飛び交い、それを狙ってか小指ほどの細い小魚達が水面を跳ね回っています。
CD「ここは敢えて５で目立たせましょう。大物が居るかもしれません」
T19「いや、博打せず確実に獲りたい。ダート系で食わせる！」
CD「また、ですか･･･」
なるべく遠投したいのでアジングタックルに持ち替えて、ルアーはダートマジック！
落ち込みの白泡へ放り込んで、ﾁｬｯﾁｬｯﾁｬｯ･･･来たっ！！ラインテンションを張ったまま焦らず巻き取り、無事にキャッチ！
決まったぜ！一撃必殺！やっぱトラウトはダートに弱いですね。
揚がって来たのはふくよかな体型のヤマメ･･･かと思いきや、よ～く見たら体の片面に４つだけ、赤い斑点。そう、アマゴだったのです！
帰宅後調べてみたら、アマゴとヤマメの生息域が被って発生した雑種は、赤斑が少なくなる傾向があるんだとか。
とするとこのアマゴにはヤマメの血が入ってるのか、それともたまたまこういう模様なのか･･･トラウトの世界は奥が深いですなぁ。
T19「･･･」
ラスカル「タイラバ届いたよ！」
T19「うん･･･」
ラスカル「元気が無いなぁ」
T19「最悪だ･･･」
ラスカル「あぁ、とうとう広島も出ちゃったんだ」
T19「よりによって16日からなんだよ･･･もうガッカリだ」
ストンパー「この状況で広島市の乗合船は、さすがにリスクが高いよ。中国地方１の人口を有する都市だってのに」
T19「俺も、キャンセルしなきゃいけないことは解かってる。でも今回だけは･･･どうしても引き下がれない」
ストンパー「女の子紹介してもらうのがそんなに大事か？」
T19「当たり前だ。学生時代からずっと縁が無いまま、気付けば27歳だぞ。同僚に勧められたアプリ使ってもダメで、諦めかけてたところに舞い込んできたこのチャンス、逃したくはない。俺の人生のためにも」
ストンパー「遊びに行ってコロナ貰って帰って来たら、キミの人生が台無しになるかもしれない」
T19「もちろん感染しないようにして行く」
ストンパー「可能性はゼロにはできない。こんな冒険はすべきじゃない」
T19「16日は予定通り広島湾へ出る。これは決定事項だ！」
CD「･･･」
そして、５月16日午前２時、Mさんと合流。
Mさんから「26歳の子がコロナ怖がってドタキャンしやがった」と告げられ、いきなり足元掬われるも、必死に気を取り直して庄原発。
車に乗せてもらい、仕事の愚痴や最近の釣果をワイワイ談笑しつつ、内心重苦しいようなわだかまったような気分で広島市入り。
深夜だからか、宣言が出たからか、本通りは前来た時よりずっとひっそりしていました。
車がコンビニの駐車場に入ると、レインコートを着た女性が歩いて来ました。今回ご一緒するYさんという方で、年齢は28歳。
丸顔で目がパッチリしていて、セミロングの茶髪を靡かせた、メッチャ綺麗な方じゃないですか！
私とYさんは軽い挨拶を済ませ、Mさんに連れられ夜明けの港へ！
コロナへの恐怖も、危険を顧みず遊びに来ている自分への罪悪感も一気に薄れ、私はもうYさんと仲良くなりたい一心。
予約していた船に乗り込み、名簿に氏名、住所、電話番号を書いて、いざ出航！
船長さん曰く、「雨は朝イチだけでじき晴れる。始めはカケアガリでタイを狙って、ベイトの群れ見付けたら青物もやろうや」とのこと。
その言葉通り、船がポイントに着き、皆がタックルを準備し終える頃には雨が止みました。
よっしゃまずはタイラバだ！格好良い所見せるぜ！爆流ビンビン玉スライド！
ショアジギングタックルに130グラムのタイラバをぶら下げ、水深40メートルのボトムへ急降下！
着底を感じてからゆっくり巻き上げ始めたら、何かに引っ張られるような違和感･･･。
重みは若干あるけど、これ魚か？タイだったらもっとしっかり引くだろうし、何だろ？
手早くラインを巻き取っていくと、浮き上がって来たビンビン玉。そしてそれにくっ付いた、黒く平たい魚！！
まさかの『メバル』でした（笑）。コイツ、タイラバでも釣れるのか･･･。
「タイラバ食うだけあって引き締まったメバルじゃね！」とMさん。Yさんも「私も釣りたいな！」と興奮した面持ち。
T19「底に落としてちょっと巻いたらアタりましたよ！Yさんも絶対釣れますよ！」
Yさん「はい。M君、どうやって釣ったら良いの？」
Mさん「じゃけぇね、糸が出て行くんが止まりゃあ、タイラバが底に着いた証拠なんよ。そしたらゆっくり巻けぇや」
T19「いきなり水深40メートル攻めるのはしんどいでしょYさん。電動リールがあったらもっと気楽にできるんでしょうねぇ」
Mさん「ほうよ！Yちゃん釣りにハマったらワシが電動リール買うちゃるよ！」
Yさん「買って買って！でも高いもんじゃないん？」
･･･何だろう。何の変哲も無い自然な会話のはずなのに、言葉で表現しにくい不自然さを感じる･･･。
私とYさんの会話がぎこちないのは、お互い初対面だから当然。MさんとYさんが仲良いのも、同じ会社の職員同士だから不思議は無い。
でも、そういうのとはまた違う何かを感じる･･･。
Yさんが私との間にMさんというバリアを張っている、もしくはMさんが柵となり、私とYさんを隔てている･･･そんな気がする･･･。
今回の決まり手：Wハンター・アジング＋アリビオ2000＋ナイロン４ポンド＋ダートマジック
コルトスナイパー＋バトルⅡ4000＋PE30ポンド＋爆流ビンビン玉スライド、パワーイソメソフト（トレーラー）