レーザーカッターをより深く理解する為、色々と加工してみました。
加工する材料はホームセンターと100均で調達。
材料
- 段ボール(2.5mm厚)
- プラダン(2.5mm厚)
- ベニヤ板(2.3mm厚、4.0mm厚)
- カラーボード(5mm厚) 白、黒
ホームセンターで売ってる中で、一番薄い木材がベニヤ板(2.3mm厚)でした。
これが加工できれば結構いい感じですよね。
プラダンは、防音対策で囲いを作ろうと思って買いました。
ついでに加工できるかどうか試してみます。
位置合わせ
ステージと材料の位置合わせをどうするか考えてみたのですが、下のようなものを作ってみました。
クリアファイルに目盛りを手書きしたもの。
これでだいたいの位置合わせができるはず!
…と思ってやってみたのですが、数mmくらい余裕でズレました。
精密な位置合わせをやりたい場合は、1回下地に目印をつけて、その上に本番の材料を置いて加工するなどの工夫が必要そうです。
段ボール
こちらは問題無くカットできることは確認済みだったので、条件だけ記録しておきます。
<条件>
- 作業速度 :140mm/min
- Pass :2回
- Pass Depth :0.6mm
ちなみにPassは1回にはできず、最低でも2回なぞる設定になります。
Pass Depthは、Passの深さ方向のピッチ幅です。
ベニヤ板(2.3mm厚)
結論から言うと、微妙な出来でした。
表面
裏面
無理矢理剥がしたところ
試した条件の組み合わせは下記のような感じです。
厚みが2.3~2.5mmになるような組み合わせを選択しました。
<条件>
- 作業速度 :100, 140mm/min
- Pass :4~8回
- Pass Depth :0.3~0.6mm
最下層があともう少し、という感じなんですけどね。
剥がした後のバリも凄いし、ベニヤ板はあまりレーザー加工に向かないのかもしれない。
アイスの棒のような薄いつるつるした木ならいけそう。
あと、断面の焦げが半端ない。
うまく加工できたとしても、後処理も考えないといけない。
ちなみに、部屋を換気しても翌日まで焦げたにおいが残っています(現在進行形)。
位置をずらしながら条件を変えていくのは、簡単にできました。
下の画面のように、だいたいのところに位置決めをが行えます。
ここで加工条件を設定。
データを送る直前に複数のレイヤーで加工されていることが確認できます。
0.5mmピッチで5回加工する場合はこのようになります。
プラダン
プラダン、加工できませんでした。
上の画像は加工後の様子ですが、一切痕跡が見られません。
改めて、紙を1枚貼り付けたうえから加工してみました。
紙は加工できている。
表面にうっすらと跡が残っている。
透明な材料はレーザーが透過してしまう為、うまくエネルギーが吸収されずに加工できないものと思われます。
紙を敷くと、紙が吸収したエネルギーがプラダンにも少し伝わり、軽く跡が残ったんでしょう。
少し予想はしていましたが、実際に見てみると「おぉ…本当に加工できない…」ってなりますね。
カラーボード
こちらは、黒のカラーボードのみ加工できました。
白のカラーボードは加工できず。
加工後の様子。
断面の抉れ。
加工後の様子。
柔らかそうな材料だったので、軽めの条件にしました。
<条件>
- 作業速度 :140mm/min
- Pass :3回
- Pass Depth :1.5mm
カラーボードの材料をよく見てみると、ポリスチレンと記載されていました。
これは発泡スチロールと同じで、プラスチックを細かい空気の泡で膨らませたようなものになっています。
なので、白いカラーボードは「ほぼ空気」と同じようなもので、レーザーが透過したものと思われます。
黒のカラーボードは、ポリスチレンを紙で挟んだ構造になっていました。(白はポリスチレンのみ)
また、ポリスチレンも黒色です。
その為、レーザーが吸収され加工できたものと思われます。
ポリスチレンは加工時の熱に収縮され、かなり抉れた断面になりました。
やってみるとなかなか思ったようにうまくいかないことが多いですね。
今日はそれを確認できたのが収穫です。
まとめ
- 段ボール(2.5mm厚) :◎
- プラダン(2.5mm厚) :×
- ベニヤ板(2.3mm厚) :△
- カラーボード(5mm厚) 黒 :〇
- カラーボード(5mm厚) 白 :×
カラーボードの白はいけるかと若干期待したんですけど、ダメでしたね。
ホームセンターではアクリル板も売っていたのですが、買わなくて良かった。
色付きのアクリル板ならいけるかもしれませんが、レーザーの出力が弱い(1600mW)のでダメな気がする。
加工しやすそうな材料を見つけたら、また挑戦してみようと思います。
(おまけ)
クッキー表面にお絵かきしてみました。
アルフォートの厚みは10mm。(豆知識)
深さ0.6mmの加工でしたが、実際は3mm付近まで到達しています。
この断面を確認できたのは何気に大きな収穫でした。
ちなみに味は若干炭の味がしました。
パワーが強すぎたんですね…。
次はパワー低めでやります。。
<条件>
- 作業速度 :140mm/min
- Pass :2回
- Pass Depth :0.6mm