昨今観た映画をかいつまむ大好評(仮)のこのコーナー。
『ディナーラッシュ』
人気レストランのある一夜の出来事を描くサスペンス群像劇。
洗練された音楽、色彩豊かで魅力的な料理の数々。
視覚と聴覚共に心地好い空間へと誘い、ラストにスパイスを効かせた陶酔感のフルコースを召し上がれ!
一つの空間で同時多発で巻き起こる人々の感情の混濁は、雑多で美しく、意志とは関係無く一つの結末へと流されてゆくその様は哀れで苦い。
群像劇ファンにはたまらない逸品。
『CUBE』
謎の立方体に閉じ込められた人々の顛末を描く、カルト的人気を誇る作品。
何よりも本当に恐ろしいものは人間である、という普遍的メッセージを秘めたこの作品は登場人物達の性質が前半と後半とでがらりと変化する様を一人一人丁寧に映し取っており、観ていて非常に面白い。
謎を解く過程が難解で常人には理解出来ない数学を用いている点はやや不服であるものの、注目するべき点はそこではなく何よりも"人間"に注目して欲しいという意図なのだろうか。
時代の流れには勝てない様で、今現在この作品を観るといたく平凡に映ってしまうことが悲しい。
『40歳の童貞男』
コメディの神様スティーブ・カレル主演、40歳でも未だに童貞である主人公が自分を変えようと奔走する姿を描くコメディ作品。
主人公の同僚達等、脇役が強烈な個性を放ちなおかつ彼等が妙に憎めないやつらであり、主人公を彼等なりのやり方で応援してくれるため、主題に関わらず哀愁とは無縁の雰囲気があり安心して主人公に感情移入できる。
この手の作品ではお約束のゲイネタも異常な位のボリュームで、コールドプレイのくだりは笑わせてもらった。
主人公が彼女に告げる終盤の事故の際のセリフは、童貞の主人公だからこそ言えるとても素敵な言葉で妙に感動しました。
ラストのダンスシーンまでお馬鹿っぷり全開の能天気っぷりで大変微笑ましい。
『パレード』
藤原竜也、小出恵介、香里奈、貫寺谷しほり主演のサスペンス。
ルームシェアをする4人の若者、彼等が住む町で起こる連続暴行事件や5人目の若者の登場など、
彼等の周りで次第に不穏な空気が流れはじめる。
衝撃の結末が評判の小説の映画化である今作。
原作は未読であるが、この映画には観る者を寄せ付けぬ致命的な弱点がある。
それは、登場人物が揃いも揃って浮き足だった自我の所在などまるで解らないやつらばかりだという点。
そのくせ小説の一文の様な取って付けた様な「おしゃれな」セリフを唐突にペラペラ話し続けたかと思えば、次の瞬間には意見を翻す。
お前は何がしたいんだと突っ込みを入れたくなる場面のてんこ盛りである。
自分を偽ってでしか他人と付き合えない若者の姿を描きたいという姿勢が感じられず、それにより結末部分へと続くサスペンス要素への興味を観客からそぐという共倒れ状態になっていて残念。
それでも衝撃の結末から続くその後の展開にはある種の恐怖感があり、なかなか後味の「良い」ラストに仕上がっている。
誉める点としてはそこだけで、前半と中盤は奇妙な変人達との退屈なパレードにどうぞお付き合いを。
12モンキーズ スコットピルグリム モンスターハウス は次の機会に。
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