昨今観た映画をかいつまみます。
『あの日、欲望の大地で』
丁寧に練り込まれた脚本と人の弱さを静かにえぐりだす、ギジェルモ・アリアガの手腕の賜物。
過去に足を捕られた場合、秘めたるトラウマと向き合うことでしか人は前進出来ぬ事を優しく唱う作品。
ちなみに作品紹介資料や予告編が壊滅的なネタバレになっているので御注意下さい。
『憑神』
妻夫木聡主演、ファンタジー要素を用いたライトな時代劇。
運勢を下降させる神々と出会いながらも、自分を見つめ直しながら忘れかけていた武士の誇りを取り戻していく主人公の姿がアイロニカルで面白い。
そしてラスト30秒、それまでの清々しい感動を全てぶち壊す演出があなたを待っている。
商業コンテンツである映画でああいった内輪演出は絶対にやってはいけない。しかもスベッている。
それ以前のストーリーが中々良好であるため非常に残念。
『ロスト・イン・トランスレーション』
東京を舞台に、落ち目で老齢なハリウッド俳優と、夫の付き添いでやって来た若き妻が出合う。
日本を舞台にしているからという訳では無いが、至極日本人の感性に触れやすい映画。
ネオンが煌めき人が溢れ、決して眠りはしない街。
しかしそれでいて現実感が無く虚無が漂い、孤独をより一層加速させる。
そんな心理状態で出会った2人は意気投合し、互いに相手を心の拠り所としていく。
物語には起伏も無く、同じベッドの上にいても2人はセックスもしない。
絶えず流れていく浮遊する様な時間と、その合間に時々見え隠れする小さな輝きを見出だす様な映画。
繊細な日本国民にとって、たった一度のキスがいかに鮮烈に情緒に響くかを思い出させてくれる作品。
この映画でのスカーレット・ヨハンソンの可愛さは犯罪級。
『GANTZ』
日本のSFアクション映画としては近年稀に見る力作。
ガンツスーツやXガンのギミック、星人の造形など完成度が非常に高く原作の雰囲気も損ねていない点は高く評価出来る。
ただ、半端でないテンポの悪さが致命的。
登場人物が感情の起伏も無くたらたら喋るシーンは尚のこと、(これは邦画全般に言える事であるが)クローズアップするべき被写体にカメラが寄らずに引きの画で延々と会話のやり取りをする等の、こちらを飽きさせるパートが随所に盛り込まれている。
そんな眠さなどは戦闘シーンで大いにぶっぱなしてくれれば逆に日常シーンとのメリハリが付き、良い結果に転ぶもの。
ただしこの実写版ガンツではそのだらだらした空気を、いつ死ぬかも解らぬ戦闘シーンまで引きずっているためにこの死線での緊迫感がまるで無い。
自分を殺そうとする相手に向かって「ゴメン」などとは口が裂けても言ってはいけないのである。
総じて、SFアクション映画というジャンルに対しての日本映画の未熟さがつぶさに露呈する形となってしまった。続編に期待したい。
『トランスフォーマー ダークサイドムーン』
堅実な作りに一貫した3作目。
前2作で踏襲してきた
「オートボットvsディセプティコン」
の形態から
「人間+オートボットvsディセプティコン」
といった構図の変化が見られる。
酷評を受けた2作目でのロボット無限ドンパチを反省したのか、今作ではきちんと人間がクローズアップされている。
しかしはっきり言って観客が観たい構図というのは残念ながら前者の方であると、自分は思う。
トランスフォーマー達が車や戦闘機から見事な変形を遂げ、スクリーンいっぱいに暴れまわる姿を観たいのだ。
戦闘シーンの見せ場もスローモーションなど工夫を加えているものの、それなりの見応えは感じられない。その中途半端な見せ場がこれでもかという位に続くので、満足感は少なく飽食感だけが残る結果となった。
毎回お得意のコメディシーンは健在で、自分はサムが故障したエンジンを青空の下でひたすら殴り続けるシーンに笑わせてもらったが、周囲のカップル達は全パートを通してクスリとも笑わなかった。
ストーリーの骨組みもしっかりしており、宇宙競争や隠謀説もワクワクさせる。
魅力的な新ロボット達もどれも格好良い。
個人的には続投のサイドスワイプ、新キャラのディーノらが大好きです。敵役ではショックウェーブがおすすめです。
アイアンハイドの一件には一瞬泣きそうにもなった。
そんな愛すべきトランスフォーマーズの造形美は手放しで感動出来るものばかりであり、今作でこのシリーズも完結となるとどこか感慨深いものがある。
その他は
『ビッグフィッシュ』
『ホルテンさんの初めての冒険』
『モンスターハウス』
『リミット』
『それでも生きる子供達』
『ゴーストライダー』
『9(サスペンス)』
などです。
来週はツリーオブライフかます!
来月はキャプアメとロサンゼルス決戦等々派手な映画ばかりの予定!
かくして、一年映画百本計画は粛々と進めらてゆくのだった。
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『あの日、欲望の大地で』
丁寧に練り込まれた脚本と人の弱さを静かにえぐりだす、ギジェルモ・アリアガの手腕の賜物。
過去に足を捕られた場合、秘めたるトラウマと向き合うことでしか人は前進出来ぬ事を優しく唱う作品。
ちなみに作品紹介資料や予告編が壊滅的なネタバレになっているので御注意下さい。
『憑神』
妻夫木聡主演、ファンタジー要素を用いたライトな時代劇。
運勢を下降させる神々と出会いながらも、自分を見つめ直しながら忘れかけていた武士の誇りを取り戻していく主人公の姿がアイロニカルで面白い。
そしてラスト30秒、それまでの清々しい感動を全てぶち壊す演出があなたを待っている。
商業コンテンツである映画でああいった内輪演出は絶対にやってはいけない。しかもスベッている。
それ以前のストーリーが中々良好であるため非常に残念。
『ロスト・イン・トランスレーション』
東京を舞台に、落ち目で老齢なハリウッド俳優と、夫の付き添いでやって来た若き妻が出合う。
日本を舞台にしているからという訳では無いが、至極日本人の感性に触れやすい映画。
ネオンが煌めき人が溢れ、決して眠りはしない街。
しかしそれでいて現実感が無く虚無が漂い、孤独をより一層加速させる。
そんな心理状態で出会った2人は意気投合し、互いに相手を心の拠り所としていく。
物語には起伏も無く、同じベッドの上にいても2人はセックスもしない。
絶えず流れていく浮遊する様な時間と、その合間に時々見え隠れする小さな輝きを見出だす様な映画。
繊細な日本国民にとって、たった一度のキスがいかに鮮烈に情緒に響くかを思い出させてくれる作品。
この映画でのスカーレット・ヨハンソンの可愛さは犯罪級。
『GANTZ』
日本のSFアクション映画としては近年稀に見る力作。
ガンツスーツやXガンのギミック、星人の造形など完成度が非常に高く原作の雰囲気も損ねていない点は高く評価出来る。
ただ、半端でないテンポの悪さが致命的。
登場人物が感情の起伏も無くたらたら喋るシーンは尚のこと、(これは邦画全般に言える事であるが)クローズアップするべき被写体にカメラが寄らずに引きの画で延々と会話のやり取りをする等の、こちらを飽きさせるパートが随所に盛り込まれている。
そんな眠さなどは戦闘シーンで大いにぶっぱなしてくれれば逆に日常シーンとのメリハリが付き、良い結果に転ぶもの。
ただしこの実写版ガンツではそのだらだらした空気を、いつ死ぬかも解らぬ戦闘シーンまで引きずっているためにこの死線での緊迫感がまるで無い。
自分を殺そうとする相手に向かって「ゴメン」などとは口が裂けても言ってはいけないのである。
総じて、SFアクション映画というジャンルに対しての日本映画の未熟さがつぶさに露呈する形となってしまった。続編に期待したい。
『トランスフォーマー ダークサイドムーン』
堅実な作りに一貫した3作目。
前2作で踏襲してきた
「オートボットvsディセプティコン」
の形態から
「人間+オートボットvsディセプティコン」
といった構図の変化が見られる。
酷評を受けた2作目でのロボット無限ドンパチを反省したのか、今作ではきちんと人間がクローズアップされている。
しかしはっきり言って観客が観たい構図というのは残念ながら前者の方であると、自分は思う。
トランスフォーマー達が車や戦闘機から見事な変形を遂げ、スクリーンいっぱいに暴れまわる姿を観たいのだ。
戦闘シーンの見せ場もスローモーションなど工夫を加えているものの、それなりの見応えは感じられない。その中途半端な見せ場がこれでもかという位に続くので、満足感は少なく飽食感だけが残る結果となった。
毎回お得意のコメディシーンは健在で、自分はサムが故障したエンジンを青空の下でひたすら殴り続けるシーンに笑わせてもらったが、周囲のカップル達は全パートを通してクスリとも笑わなかった。
ストーリーの骨組みもしっかりしており、宇宙競争や隠謀説もワクワクさせる。
魅力的な新ロボット達もどれも格好良い。
個人的には続投のサイドスワイプ、新キャラのディーノらが大好きです。敵役ではショックウェーブがおすすめです。
アイアンハイドの一件には一瞬泣きそうにもなった。
そんな愛すべきトランスフォーマーズの造形美は手放しで感動出来るものばかりであり、今作でこのシリーズも完結となるとどこか感慨深いものがある。
その他は
『ビッグフィッシュ』
『ホルテンさんの初めての冒険』
『モンスターハウス』
『リミット』
『それでも生きる子供達』
『ゴーストライダー』
『9(サスペンス)』
などです。
来週はツリーオブライフかます!
来月はキャプアメとロサンゼルス決戦等々派手な映画ばかりの予定!
かくして、一年映画百本計画は粛々と進めらてゆくのだった。
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