ベネディッティー.ミケランジェリ : ショパン スケルッツォ 第二番

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ミケランジェリが弾くピアノ音の一音一音のクリアーさ、フォルテシモの逞しさ、ピアニッシモの繊細さ、曲の構成の仕方、どれをとっても非の打ちどころが、ありません。

 

この曲は、ショパンお得意のA~B~A三部形式になっています。最初、Aの部分、♭五つの変ロ短調(Bフラットマイナー)のフォルテから入ります。へんろと読ませても、四国のお寺を巡り歩くお遍路さんとは関係ありませんからね。

 

ベネディッティ― ミケランジェリ

そしてBの部分は、やはり♭五つの平行長調と呼ばれる変ニ長調(D♭メジャー)あたりに転調するのが常道ですが、ショパンは、全く関係のない♯三つのイ長調に転調させています。

ピアニッシモで奏される柔らかに弾む付点音符の素晴らしさを何に例えたらいいでしょうか?

 

そして、再びAに戻り、激しいコーダを経てめでたしめでたしという進み行きなのです。

 

このように、この2番は、ある程度形式を踏んだスケルツォです。したがって、ピアノの世界で生きていこうとする人は、ただ漫然と弾くのではなく、転調、調性など曲の構造を十分認識しておくことが肝要かと存じます。

 

また、ミケランジェリ、ホロヴィッツの他に ルービンシュタイン、リヒテル、ポリーニなどが演奏する同曲も注意深く鑑賞するならば、更に万全だと思いますね。