キース ジャレット & チック コリア:モーツァルト二台のピアノのための協奏曲第3楽章

モーツァルトファンを任じているのならこの作品を知らないというは、やっぱり、いささか恥ずかしい。確かに2台のためのピアノ協奏曲という形式で、他の20番や23番に比べ演奏される機会は少ないかもしれませんが、変ホ長調(E♭メジャー)の明るい曲で第3楽章はモーツァルト得意のロンド形式を採用しています。聴けば聴くほど好きになる作品でもあるのです。

ちなみにケッヘル番号は、365。

 

この動画の演奏は、品川の簡易保険ホールで行われ、バックのオーケストラは新日本フィルです。キース ジャレット、チック コリアともビルエヴァンスの流れをくむ天才ジャズピアニスト達で、お二人とも少年のころからモーツァルトやドビュシーの音楽を余裕で弾きこなしていたのでしょう。

 

この演奏での二人によるロンドもかなり息が合い、陽気で弾むような雰囲気を十分表出して並のクラッシックピアニスト以上に見事な演奏を繰り広げています。

 

ただ、私は、40年前あの吉田秀和さんが大絶賛したベームウイーンフィルのバックであのロシアの名ピアニストエミールギレリス父娘が弾くLPレコードを持っていて、それと比べしまうと、キース、チックの演奏はほんの少し荒っぽさが、目立つことは否めません。

    キースジャレットとチックコリア     ギレリス父娘

ただ、雲泥の差があるというわけではありませんよ。ギレリスのほうを、かつてオバマ大統領と安倍首相が訪れた銀座の寿司屋さん次郎だとすると、二人のジャズピアニストの演奏は、我が母が生まれた浅草の江戸時代開業、弁天山みやこのお寿司とでも言っておきましょう。