夏帆同曲  舟木一夫君&松原智恵子さん:藤村作「初恋」

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               短編小説:「初恋」

わしは、1922年(大正11年)岐阜県中津川市の生まれで、来年の2021年白寿の祝いを迎えることになるんじゃ。

 

ほら今NHKの朝ドラとやらで、古関裕而先生、三浦環先生という大音楽家が話題になっているじゃろう。お二人が、大活躍する少し前、いわゆる大正デモクラシー真っ最中美濃の国に生を受けたんじゃ。

 

さて話は脱線してしまったが、時は流れ昭和17年、私に赤紙が来て、中国の大連に向けて出征。その時はもうすでに結婚しとったんじゃな。同郷の娘で、新婚生活は1年足らずじゃった。当時、岐阜県人と長野南西部の人たちにとって、明治の文豪といえば漱石ではなく、8割がた島崎藤村じゃった。

 

二人を結びつけるきっかけは、この「初恋」を含む若菜集だったといても過言ではないじゃろう。昭和20年4月、農作業していた妻が、グラマン戦闘機の機銃掃射にあい、亡くなったという電報を任地大連で受け取ったのじゃった。

 

このユーチューブ動画を見るたびに、私の妻が、こちらの松原智恵子さんに似ていると言っては、言いすぎじゃが、

智恵子さんが、ふと顔を上げてほほ笑んだ時、思わず19歳で亡くなった妻の面差しが浮かんできてしまう。  

       君に似た女優さん

わしももうそう長くはないだろう。あの世で、「昭和の中頃、君にそっくりな松原智恵子さんと呼ばれる女優さんがいたんだよ。」という土産話を若いままの妻にするのが楽しみでもあるんじゃ。

 

*最後に、夏帆さんとディーンフジオカさんの「初恋」ヴァージョンもこしらえておいたので、鑑賞なさる方は、本動画の左上、夏帆同曲の部分をくりっくしてくだされ