はじめに:以前、ハイドンの交響曲92番、オックスフォードを記事にしました。これは、現在でも頻繁にコンサートに取り上げられる作品で大傑作の栄誉をほしいままにしていますが、次の交響曲93番から最後の交響曲104番までの12の交響曲は、ロンドンセットと呼ばれ、
交響曲の至宝として別格扱いになっています。多くの指揮者は、ロンドンセットの中の一つを演奏するとき、オーケストラの性能が一目瞭然になってしまうので命を賭けると言います。
そして、1960年代より、多くの世界のクラッシック音楽評論家から、ハイドンの交響曲に限っては、カールベーム指揮、ウイーンフィルおよび、このジョージセル指揮、クリーヴランドオーケストラに並ぶ交響楽団は、無しとまで言われ続けてきたのです。
今回、ユーチューブでやっとのことでクリーブランドオーケストラの演奏を見つけました。
と同時に幸運にも、英国のレコードコレクターから、このLPレコードを購入することができました。
1週間前に航空荷物として我が家に届いたわけです。それでは、ジョージセル指揮クリーヴランドオーケストラのハイドン交響曲95番を全楽章聴いてください。。もちろんこれは、ロンドンセットの中のシンフォニーですよ。
40番 ハイドン交響曲95番:セル指揮 クリーヴランドオーケストラ
ジョージセル指揮クリーヴランドオーケストラの演奏いかがでしたでしょう?
ここで、全楽章説明を加えたいのですが、やたら長くなってしまうので、第三楽章のメヌエットだけに集中させていただきます。
ちなみにメヌエットとは、3/4拍子の主に宮廷での優雅な舞曲を意味します。
12分17秒から第三楽章は始まりますのでタイムボタンを移動させていただければ幸いです。
さて、ハイドンの交響曲の第三楽章は、ロンドンセットに限らずほとんどメヌエットというフランスの舞曲を土台にした楽章です。単調になるのを避けるため、A~B~Aの三部形式を採用。
これは、オックスフォードの時にも述べたのですが、AからBに移る時、たいてい転調が行われます。
しかも、Aが短調だったら、Bは八割がた長調に転調。その逆も当然あります。私は、専門家ではないので100%自信は、ありませんが、この交響曲はハ短調です。といっても家庭が破綻しているわけではありませんよ。
だから、Aはハ短調、Bは、何調かわかりませんが、当時は親戚である調に移るのが常識。
フラットが三つ付いたハ短調の親せきは、平行調の変ホ長調か同主調のハ長調の可能性が高いと類推されます。恐らく後者でしょう。
ムードも、暗く厳しいものから明るいものに変化しているでしょう。これが転調の効果です。
ちなみに、メヌエットのBの部分をトリオといいます。14分17秒か始まるトリオでは、チェロが、ソロ楽器のように大活躍していますよね。
このチェロを弾いておられるのが、私の友人でもあるダイアン メイザーさんの可能性が高い。
ドイツの女優、ロミーシュナイダーを思わせる面差しで、アメリカの他のオーケストラの楽団員も大いに憧れたそうです。
かつて101回目のプロポーズというトレンデイドラマがあったでしょう。主人公の武田鉄矢さんが、惚れこんでしまうのが、浅野温子さん扮するオーケストラのチェリスト。
このモデルになったのは、クリーヴランドのダイアン メイザーさんだという噂もちらほら。そしてBのトリオが終了しますと、再び重苦しい短調のAになり、やがてメヌエット形式の3楽章は終わりを迎えます。
まあ、ちょっと脱線してしまいましたが、心してハイドンのこのシンフォニーを聴いて下されば、ブロガー冥利に尽きるというものです。
*最後にダイアンメーザーさんは、モーツァルトの交響曲40番でもクリーブランドオーケストラで首席チェロ奏者として大活躍、これもご覧になる方は、本動画の左上40番の部分をクリックしてください。