The Beatles sing Norwegian wood

明治以来、わが国は様々な音楽を吸収してきて、特にJPOPの世界など世界でも最先端のレヴェルに達しているのかもしれませんがどうしても日本人に定着しない音楽的要素が6/8拍子とシンコペーションの感覚だといわれています。

 

この感覚を本当に身に着けた人はおそらく500人に一人くらいでしょう。したがって、この要素を取り入れた日本の作品は極めて少ないのです。

 

中島みゆきさんの「船を出すのなら9月」という曲は,6/8拍子であるビゼーのオペラ美しきパースの娘のセレナーデからそのメロディーを100%借りてとてもいい作品に仕上がっていますが残念ながら日の目を見ることはありませんでした。

 

これはひとえに6/8拍子の感覚が日本人に浸透していなかったためと思われます。ところが、イギリス生まれのビートルズの場合は違います幼少時代から6/8拍子の曲をいやというほど聴いているからです。

 

このノルウエイの森や、アルバム レットイットビー に入っている アイミーマイン などがその典型です。更にいえば、モーツァルトやベートーヴェンは、6/8拍子の作品を作曲するのが巧みでしたからヨーロッパ人は心底この拍子の感覚が身についているのです。

 

それではここで、このノールウエイの森の楽譜を提示しておきましょう。      

これは、典型的な6/8拍子の楽譜です。中学校の音楽の授業で、必ず習うのですが、6/8拍子とは基本的には一小節に八分音符が六つ存在するということですが、常にその形になっているわけではありません。

 

この楽譜の最初の部分を見てください。八分音符三つ分の付点四分音符と三つの八分音符からできています。長さ的には、八分音符六つと同じでしょ。そしてこの曲は、中ぐらいの速さですから、船が上下にゆっくり揺れるような感覚を覚えないでしょうか。6/8拍子は、すごくゆっくりでない限り、一小節を二つに数えなさいと必ず中学の音楽の先生は生徒に指導しています。

 

言い換えれば二拍子と考えなさいということです。これを知ると知らないでは雲泥の差です。このようにただぼーっと聴いているのではなくこのようなことを意識すれば、あなたの音楽を聴く楽しさと、造詣の深さが4倍になるというものです。

 

音楽を体で覚えるということはこのようなことを指すのです。当然クラッシック、ポップス、歌謡曲などジャンルを問いません。このようなことを意識して船の揺れを感じながら、もう一度このノルウエイの森を聴いてみてください!