ホロヴィッツ:ラフマニノフピアノソナタ第2番
短編小説:ホロヴィッツとラフマニノフ
ラフマニノフのピアノ協奏曲2番、3番をこよなく愛する人はこの日本でも1000万人くらいいらっしゃると思いますが、彼のピアノソナタ第2番まで、しっかり聴きこんでいる人は、指で数えるくらいでしょう。取り上げるピアニストが、、極めて少ないことも、起因しているのでしょう。私の知っている限り、ホロヴィッツだけです。並みのプロのピアニストでは、手に負えない作品なのかもしれません。ちなみに、ショパンに関しても、バラードやポロネーズは、とても人気があるのに、ピアノソナタ2番、3番は、日陰の身に甘んじています。ここで改めて申し上げておきますが、ラフマニノフ、ショパンのソナタは、ベートーヴェンのソナタに負けないほど内容の濃い立派なものです。
ホロヴィッツ ラフマニノフ アルゲリッチさん
この、ラフマニノフのソナタ2番は、1~3楽章まであるものの、ベートーヴェンのソナタの形式とはまるで違っています。後者のそれは全楽章を通じて統一性がありますが、前者のそれはそういう要素は全くありません。敢えて言えば、ショパンのスケルッツオや、バラードが三つ並んでいる感じです。その醸し出す雰囲気は、ライヴァルのスクリャービン程ではありませんが、一種の狂気を感じさせる部分があります。初めてこれを聴いた方は、なにがなんだかわけがわからない作品に聴こえるでしょう。ところが、聴きこむうちにその良さが必ずわかるはずです。ホロヴィッツの天才ぶりを示すために一つ例をあげておきましょう。 ピアノが破壊されるほどのフォルテッシモの後でさえもホロヴィッツの演奏は決してぶれることはありません。一糸乱れることはないのです。恰も金メダルを獲得した羽生弓弦君のフィギアスケート、フリーの如く!
あっ、今、別府温泉から、マルタ アルゲリッチさんのコメントが、入りました。皆さんに紹介してお別れしたいと思います。
The comment from Martha Argerich
Listening to this Rachmaninoff piano sonata No.2,
I can comprehend that Horowitz was true genius of piano.
As to Rachmaninoff and Scriabin, no pianist can chase Horowitz.
I deeply feel that it's so nice to have encountered
his great pianist called Horowitz .
As to Rachmaninoff piano sonata, I have already given up it.
From BEPPU in Oita prefecture
グーグル和訳
(このラフマニノフのピアノソナタ2番大変な曲だということは、重々わかっていました。でも今回ホロヴィッツの演奏を、注意深く聴いてみるとようやくこの曲の良さを理解できたわ。しかも改めてウラジミールホロヴィッツピアニストの他の人が追従できない天才性を痛いほど認識させられたってわけ!それに、このラフマニノフとスクリャービンに関しては、ほぼ確実にホロヴィッツを超えることは不可能だわ。そして、私は、幸運にもホロヴィッツというピアニストに巡り合えて本当に幸せに思っています。私にとってラフマニノフのピアノソナタは、どんな存在かって? もう初めから弾くことは、ギブアップしているわ。ホロヴィッツに100%お任せでいいんじゃないの。)