ウラジミール ホロヴィッツ:ショパン「幻想ポロネーズ」

ほとんどのショパンファンは、ポロネーズといえば、まづ、英雄ポロネーズ軍隊ポロネーズまでで、マズルカ付きのポロネーズ5番まで踏み込む人は、少なくなります。ましてや、この幻想ポロネーズまで聴きこむ人は20人に一人くらいでしょう。こちらを聴かれたあなたはショパンの超エリートファンになってしまったといっても過言ではないと思います。

 

         ホロヴィッツとショパン

冒頭のフォルテッシモのパッセージが非常に印象的で、気分は、激しく変化していきます。やや単純で明快な英雄ポロネーズなどに比べ、非常に複雑に展開してゆきます。音楽評論家の中には、5番のポロネーズを抜いて、ショパン会心の1曲であると非常に高く評価する人が多い。そしてこの暴れ馬のような変化にとんだダイナミックなポロネーズを真にコントロールできるのは、ホロヴィッツ一人だけではないでしょうか。彼の演奏批評など素人の私たちが恐れ多くて決してできるものではありません。 再度申し上げますが、この曲を自分なりに聴き込んだあなたは、本当のエリート ショパン ファンになれたわけです。