ヤッシャ ハイフェッツ : パガニーニ、カプリース24番
パガニーニの作品の演奏の場合は、しばしば名人芸が、要求されるので奏者によっては、癖というか雑味というか、演技過剰な 面を時々感じたものでした。たまにパールマンにもその傾向は感じます。極めて稀なんですがね。
ハイフェッツ
ところが、ハイフェッツの演奏は、特に思い入れを込めるのでもなく、恣意的な表現に走ることも無く、ただ、自然に弓を動かしているという風なのです。かえってそういう姿勢に新鮮さを感じました。
細かい音符による速いパッセージの音の響きは、まさに揺るぎなくカチッと決まっていますし、音のダイナミックス、短前打音などの装飾音の処理なども完璧です。この様な雰囲気を感じさせてくれるのは、ハイフェッツの他には、ピアノのホロヴィッツくらいしか思いつきません。この二人に世界中の多くのクラッシックファンが集中する、わかるような気がします。
後味すっきりのハイフェッツのこの演奏を聴いて、パガニーニを再認識をするのは私だけなのでしょうか?