Miles Davis Quintet play "All blues" in Milano
モダンジャズ史上最高のアルバムと目されている、カインド オブ ブルー。1959年これまた史上最高の呼び声の高いマイルス デイヴィス六重奏団によって製作されました。メンバーは、マイルス デイヴィス(tp)、ジョン コルトレーン(ts)、キャノンボール アダレイ(as)、ビル エヴァンス(p)、ポールチェンバース(b)、ジミー コブ(ds)です。
マイルスデイヴィス ジョンコルトレーン ビルエヴァンス
そのA面のトップが、あの有名なソー ホワット、B面のトップが、このオールブルースです。
その名曲ぶりは、白鵬対稀勢の里といったところでしょうか。前者は、現在99%の楽曲の基本となっている平均律を捨て、それ以前の教会音階、Dドリアンという音階を導入したのでした。後者は平均律には属するのでしょうが、いわゆブルースモードを採用しています。
ちなみに、このカインド オブ ブルーという、LPレコード及びCD、時を超えて売れ続け、CDが売れない現在も、毎年世界で60万枚も売れているそうです。数十年後には、単体のアルバムでは、ビートルズ、マイケル ジャクソンを抜いて史上最高になる事は、まず間違いないとのこと。
さて、このヴィデオですが、イタリアミラノのライブです。マイルスグループは、フランス、イタリアをはじめ、ヨーロッパでは圧倒的な人気と尊敬を集めていました。メンバーは、カインドオブブルーの時とは、100%変わっています。一般にモダンジャズ界では、例外を除いて、スマップのように25年間も続くことはありません。優秀なプレーヤーはすぐ独り立ちし、新たなグループを立ち上げるからです。長くて5年でしょう。
ウエイン ショーター ハービー ハンコック マイルス デイヴィス
この時のマイルスのグループは、マイルス デイヴィス(tp)、ウエイン ショーター(ts)、ハービーハンコック(p)、ロン カーター(b)、アンソニーウイリアムス(ds)の5人から成っています。
マイルスは、超優秀なプレーヤーを見つける天才ですから、この五重奏団も栄光に満ち溢れていますね。
この時マイルス、30代後半、さすが、ミュートトランペットのインプロヴィゼ―ションが、冴えに冴えています。
ウエイン ショーターのテナーサックスサックス、コルトレーンほど雄弁ではありませんが、知的でクールな音色が魅力です。
ハービーハンコックは、伝統的な表現は無論のこと、モードに乗っ取った前衛的な奏法も、しっかり身に着けており、決してチック コリアやキース ジャレットに引けを取るピアニストではありません。いずれにせよ、第二期マイルス黄金時代を作ったメンバー達なのです。