Horowitz plays consolation of Liszt

私は、ホロヴィッツに関する記事をよく読むんですよ。したがってホロヴィッツの体格などは、大体想像がつきます。身長172cm、体重70kg、やや背の高い日本人と言ったところじゃないでしょうか。2mでグローブのような手を持つラフマニノフなどとは、違いますよ。

ただ、ヴィデオクリップを見ますと、指は相当長く、10度くらいは、届いてしまうのかも。

                                 Horowitz 1

弾き方は、他のピアニストと、かなり違っています。常に指は、伸ばされたままで、鍵盤に沿っています。つまり、おそろしく、指の位置が、鍵盤と近い。これでは、フォルテッシモなど、無理なんじゃないかなと思わせるのですが、プロコフィエフのソナタなんかでは、誰にも負けないほど会場いっぱいに響かせることが、できてしまうんです。手を振り上げることは、英雄ポロネーズの時をなどを除いて、殆どないですね。

 

他のピアニストが、なかなか追いつけない点は、数多くありますが、まず、スケールとアルペジオの正確さ、滑らかさ、スピードでしょう。トリル、ターン、短前打音など装飾音についても同じことが言えます。そしてダイナミックス、真珠の粒が規則正しく小さくなっていくようなホロヴッツ特有のナチュラルなデクレッシェンド。誰も真似のできるものではありません。努力して音量を小さくしてみましたでは、まだ半人前。ホロヴィッツから学ぶべきです。と同時に私としては、ホロヴィッツの奏法は、合理的だと思うのですよね。そのスタイルを模倣するピアニストが、もっと出てきていいと思います。

                                                  Horowitz 2

このように、ホロヴィッツには、隠れた秀逸な能力があるからこそ、多くのクラッシックファンは、ホロヴィッツが弾く、ショパン、シューマン、ラフマニノフ そして、スカルラッティを選んでしまうのです。

 

例えば、フィギアスケートの羽生結弦選手、四回転ジャンプだけではなく、スケーティング全体が、他の選手とかなり違っていますよね。彼が登場しただけで会場に緊張と期待が、高まります。こういった雰囲気は、かつての浅田真央選手やキムヨナ選手も持っていました。ホロヴィッツもちょうど、このような存在なんです。

 

そして、このリストのコンソレーション。恐れ多くて、批評など、とてもできません。