16世紀のヨーロッパと言えば、ルネッサンス及び宗教改革の時代です。カソリックとプロテスタントの和解を目的にしたアウブスブルグの宗教和議は、1555年に開かれました。このように、歴史上重要な出来事は、西暦年数を暗記してしまうのが、手っ取り早い。  

それが歴史の道標になります。一方わが国では、1560年、桶狭間で今川を破ってから、本能寺の変まで
22年間信長の時代が、続きます。その後、15年間ほど秀吉にとって代わられ、1603年、江戸幕府が開かれ、大政奉還の1867年まで、何と264年もの間、徳川時代が続きます。  

ここで、私が、誤解していたことがあります。江戸幕府が開設され、しばらくして、大坂の陣によって豊臣勢は全滅します。私は、淀君&秀頼が、どんなに家康に恭順を尽くそうと、家康は、2人を殺すつもりでいたと勝手に思っていました。

 


ところが一週間前、ウィキペディアで調べたところ、家康は、自分の臣下になれば、命と、ある程度の地位は保証するとしきりに2人に提案しています。   しかし、プライドの高いは、首を縦に振ることはありませんでした。 結局、冬の陣で、難攻不落と言われた大阪城が、家康が英国から輸入した4基の最新の大砲で破壊されてしまいます。射程距離6000mというからびっくりぽんです。

  さて、16世紀のイギリスは、どうだったのでしょう。 16世紀の初め、あの6回も結婚を重ねた、
ヘンリー8世が登場します。二番目の妻、アン=ブリーンとの間に誕生したのが、女王、エリザベス1世です。   彼女は、1558~1603年の長い間、イングランド、アイルランドの女王をつとめ、1588年には、スペインの無敵艦隊を撃破し、イギリスの覇権の礎を固めたのは間違いないでしょう。

ルネッサンス後期、文化面でも、色々な分野の芸術が繁栄を極め、文学では、
シェークスピア、音楽では、ジョン=ダウランドウイリアム=バードという大作曲家が、登場して来ます。   英国のルネッサンス音楽文化は、イタリア、フランス程の派手さはありませんが、内容の濃い立派なもので、現在、再認識されています。

シェークスピア...............ジョン=ダウランド.........      ウイリアムバード

これから、お聴き頂く、
作曲者不詳のグリーンスリーブス、この曲は既にシェークスピアの小説に出てくるそうです。この辺の分野は、わが国の皇太子が、非常に詳しいことは周知の事実です。ちなみに、グリーンスリーブスを「緑の葉っぱ」と誤解している人が、いるようですが、Green sleeves 緑の袖 という意味で、 緑の草の上に寝転がってしまいがちな、意味深で、活発な女性を指していると主張する学者もいます。それでは、2曲続けて聴いてください。
 
 Greensleeves(ヘンリー8世とアンブリーン)   Greensleeves Variations by flute & harp  ムーヴィーに出演している魅惑的な女性は、美人の誉れ高かったヘンリー8世の二番目の妻であり、エリザベス1世の母であった、アン=ブリーンでしょうか? そして、どういうわけか、結局アンは、処刑されてしまいます。

一方、フルートとハープによる、グリーンスリーブス変奏曲はいかがでしたでしょう?わたくし個人の感想としては、しっかりした
ハープの支えによる、フルートの品格のある様々なヴァリエーションが、深く心に残りました。これぞ、イギリス伝統音楽の神髄

最後に、オリヴィア ニュートン ジョンの演奏で〆たいと思います。


Olivoa Newton John sings Greensleeves


 
  オリヴィアの歌を聴いていると、しみじみ、
失恋の歌だということが、わかります。歌詞も、Do me wrong と、はっきり聞こえます。 こんな時に、Do なんていう、あからさまな動詞を使うとは。 私を邪険に扱うあなたとでも訳せば、いいのでしょうか? 悲しみの6/8拍子です。日本人も、この辺まで斟酌してあげたい。