この短いブラックバードという作品、おそらくポールマッカートニーとは何かということを100%示していると思います。

 

驚くべき作曲能力、単純に美しいメロディを編み上げるだけではありません。そこには、ハーモニー、いわゆる対位法と呼ばれるボーカルのインタープレイ、そして、音楽的なギターワーク

 

確かにブルースなどの職人的パフォーマンスにおいては、クラプトンジェフベックのほうが上かもしれませんが、作品を立体的にひく、難しい言葉でいえば、ポリフォニックに弾くということに関しては、ダントツにポールが優れていると感じます。これは、この演奏を聴けば明らか。

Paul McCartney

もうロックギタリストの範疇から離れ、あのスエーデンの天才ギタリストイエランセルシェルに迫るものがあります。このブラックバードが、聴衆をこんなにも惹きつけて、離さないのは、このような途方もない能力があるからなのです。

 

つまり、作曲家としても、ヴォーカリストとしても、ベース、リードギターリストとしても最高峰に存在していることは火を見るより明らかです。彼のようなミュージシャンは、ほかに見つけることはできません。

Paul McCartney sings "Black bird"

Paul's guitar expression and technique are extraordinarily marvelous like his vocal.

(ポールのギターの表現とテクニックは、彼のヴォーカルと同様、筆舌に尽くしがたいほど素晴らしい。)

 

Many Japanese fans know Paul's amazing ability for the music at the level of Mozart.

(多くの日本のファンは、モーツアルトのレヴェルにあると言っていい、途方もないポールの音楽に向けての才能に気付いています。)

 

In other words, the collaboration between his vocal and guitar is making a kind of polyphonic music.

(ほかの言葉でいえば、彼のヴォーカルとギターワークとの間のコラボレーションは、ポリフォニック音楽の一種だと言っても、許されるからです。)