Adagio in d-moll        composed by Hikari Oe

 

 I'm especially fond of this "D minor adagio", "The night caprice", "E minor Siciliano" and "Snow". I think this second CD has been improved remarkably comparing with first CD.

(私は、特にこのニ短調のアダージョ、夜のカプリース 、ホ短調のシシリア―ノ、雪が好きです。そして、ファーストCDに比べ、格段に進歩していると、思います。)

 

For example,The various modulations. The interplay by the piano and the flute that is called the counterpoint. The nice-sensed playing of variation style. The sophisticated decorative music notes.

(例えば、多くの転調、ピアノとフルートのきめの細かい、対位法的演奏、巧みな装飾音の使い方、変奏のセンスの良さ等。)

 

Those are the harvest that Mr.Hikari Oe has been eagerly learning Bach, Scarlatti and Mozart. I think in the world of Baroque music, there still remains pretty large room to develop it

(おそらく、バッハ、スカルラッティ、そして、モーツアルトをしっかり勉強した成果なのでしょう。まだまだ、バロック、古典の音楽的世界は、開拓の余地があると思います。)

 

And now hearing this adagio, I will again read his father's novel "Rouse up, O,young men of the new age!"

(改めて、「新しい人よ、目覚めよ」を読みながら聞くのもいいですね。 ).  

                            大江健三郎さん

 

まとめ :1970年安保の少し前の頃、文学好きの仲間が、ある一人の下宿に集まってコップ酒を片手に夜中の2時頃まで、大江さん万延元年のフットボール高橋和己邪宗門についてああでもない、こうでもないと語り合って大いに盛り上がったものである。

 

ところが社会人になって、そのたぐいの話をする機会は、100%失ってしまったと言っていい。今でも彼等の他に、村上春樹さん、東野圭吾さんなども含めて、ネット上でもいいから、いろいろ話し合いが出来たらなと思っていた。

 

半年前、上記動画、大江光さんの音楽作品にコメントを入れていた。すると、一週間前、予期しないことで、あるルーマニアの青年から私のコメントに対して返信コメントが、送られてきた。話は光さんの、お父さんの小説、個人的な体験に及んで、小説自体は、いたく魅かれたが、主人公のバードは、今まで抱いていた日本人の青年の像と180°違っていると主張するのだ。

 

今、仮にその青年を Bさんとしよう。おそらく、多くの青年に対するイメージは、武士道精神に裏付けられた、責任感のある凛とした人間である節がある。インテリではあるが、子供が生まれるというのに、まだ見ぬアフリカ渡航を夢見ていたり、火見子というかつての恋人とも切れていないのが、この無責任ともいえる主人公バードなのだ。

 

Bさんは、そのギャップに戸惑ったらしい。考えてみれば、1964年、新幹線が開通しオリンピックを迎えようとしていた日本。戦後の貧困から完全に脱却し、高度成長の途上にいた。若者は、ビートルズやIVYファッションに夢中になっていて、確かに武士道精神の若者も存在したが、むしろ、少数派でダサいとさえ言われていた。

 

つまり、日本の若者は、学生運動に走る人達はいたが、根本的に西側の欧米の青年等と、変わるところがなかったと、考えている。さて、ルーマニアのBさん、明らかに議論好きで、村上春樹さん羊をめぐる冒険なども読み込んでいるらしい。実に、文学センスがいいではないか。

 

更に歴史政治思想などにも興味を持たれている様子もうかがえる。私も若くはないし、三日に開けては無理だが、一か月に一度なら、例えば、大戦中のルーマニアと日本の状況とかのテーマを決めてメールを交換していきたいと提案もした。このBさんと不肖高橋のメールのやり取りは、大江光さんの動画のYouTube部分をクリックすれば、見ることが出来ると思う。そして、Bさんにもこのブログのアドレスを教えておいたので、歓迎のためのバルトーク作曲、ルーマニア民謡集ピアノ演奏のMP-3ファイルも貼りつけておきました。

 

 

  バルトーク ルーマニア民謡集。六つの舞曲からなる作品です