こんにちは、ギター講師の中川です。
今回は、演奏活動を行う中で自分なりに感じた「曲の仕上げ方」について述べたいと思います。
まず、曲を仕上げるにあたって4つの段階があります。
①暗譜
②楽譜の順読み
③楽譜の逆読み
④シャドーライティング
①暗譜について
まずは、仕込む曲を楽譜を見ずに弾けるようになるところからスタートします。
指が勝手に動いて曲が弾ける様になるまで、何度も反復練習しなければいけません。
それを録音してみて、1通りつまづかずにすんなり弾ける様になれば第一段階はクリア!
②楽譜の順読み
ただ、これができたからと言っても終了ではありません。
例えば
「ここの~小節のフレーズを弾いてみて」
と言われても、そのフレーズが弾けずに何小節か前に戻って弾くことはありませんか?
それは、楽譜で音楽を捉えずに指の反復作業で曲を覚えているにしかすぎません。
これでは本番で人前で弾く時、頭が真っ白になってど忘れする危険性があります。
「普段、家ではよく弾けるんですが人前だとなかなか....」
という方は曲のあらゆる小節をパッとみて、すぐにその音が弾けますか?
よって曲を指で覚えた上で、楽譜を読みながら弾くトレーニングを行う必要があります。
これが順読みです。
③楽譜の逆読みについて
さて、上の①②までできると、頭の中でその曲は完ぺきに再現できると思います。
しかし、この「頭では覚えている」というのが実はクセ者です。
そうではなく、「楽譜を読んで弾く」ことについてもう少しフォーカスを当てましょう。
そこでフレーズの最小単位である2小節を1ポイントとして、仕上げた楽譜を最後から逆に弾いて行きます。
最小値まで区切ることで、意外と弾けなかった部分が明らかになってきます。
本番の1週間前からこの「逆読み」の練習をすると効果的です。
④シャドーライティングについて
①②③ができれば、本番でのど忘れのリスクは大分小さくなりました。
これはできればで良いので、白紙の5線譜とペンを用意して仕込んだ曲をソラで書いてみましょう。
時間が無いと中々厳しいので、これは頑張れる人でOKだと思います。
これらのプロセスで12曲辺りを仕上げれれば、1時間のコンサートをギター1本の一人で、人前で演奏できるようになります。
あとは楽曲に関連する映画やオペラを見たり、全てのプログラムを本番だと想定して録音したりして、練習の厚みを増やしていきましょう。
~最後に~
いかがでしょうか?
こうしてみると練習は大変ですよね。
ただ、本番は音楽を楽しむ感覚で、気軽なノリでやるのが良いですよ。
「練習は真剣に、本番は遊びで。」
くらいの気持ちで、当日は聞いている人とコミュニケーションを取るという感覚ですと音楽が楽しめます。
やっぱり、自分自身も楽しまないと。
細かいミスがチョコチョコあっても、そうしたスリルも音楽の楽しさだと捉えると良いと思います。
そうして行くと、きっと、あなたの音と人となりが好きだと言う方が現れます。
「完璧に弾いてやるゾー!」と硬く考えるより、そうした輪を広げるという風に考えたほうがギターと長く付き合えるのではないでしょうか。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。