豊「(いつもより前に付けてはみたものの…重いなあ。反応も悪いし…。ローズ…。)」
ローキン「…分かっただろ、豊。これが今の俺の実力だ。重い鈍い走れない。もう終わった馬なんだよ。」
豊「……」
ローキン「胸張ってG1馬と言えるような立場でもないし、所詮俺なんて駄馬なんだ。」
豊「…お前とまた一緒に走れることが嬉しくて堪らなかった。いつも前向きなお前には元気付けられる。だからそんな悲しいこと言うな。」
ローキン「…豊を今の状況に追いやったのは俺のせいでもあるんだ。本当に…本当にすまなかった。謝っても謝りきれない…。」
豊「……何言ってるんだよ。俺とお前はそんな仲じゃないだろ?コンビじゃないか!もう一度、お前の脚で誰よりも先にゴールを駆け抜けてくれよ…。」
ローキン「…もう一度、G1の風を味わいたい。」
豊「…もう一度、表彰台に立ちたい。」
ローキン&豊「…もう一度光を掴みたい…!!!!」
実況「ローズキングダム上がってくる!物凄い勢いだ!ローズキングダム!ローズキングダム!2頭3頭4頭ごぼう抜き!!ローズキングダム!!先頭に躍り出た!!ローズキングダム!!今先頭でゴールイン!!」
ローキン「勝った…これがG1の風…G1の音…。今度こそ本当に…。」
豊「よくやった!!凄いねローズキングダム!!最後…飛んでいるような感じだったよ笑」
ローキン「………」
豊「…泣くなよローズキングダム…」
橋口「豊…!有り難う!本当にお前には…お前には…悪いことをした…!すまなかった!」
豊「先生…お顔を上げて下さい!謝らなくてはいけないのは僕の方です。今まで沢山の期待を裏切ってきたのですから。でも心から嬉しいです。先生の馬で、ローズキングダムでG1勝てたこと。先生、ローズキングダム、ありがとうございます。」
あいつはもう駄目だ…
22年前、年の暮れ。そう囁かれていた馬に奇跡の終焉を与えた者がいた。
あいつはもう駄目だ…
時は過ぎ、今ではその者がそう囁かれるようになっていた。
しかし、再び奇跡は起きた。
今にも雨が落ちてきそうな曇り空の下、微笑む姿はあの頃のまま。
今度は私達が彼に謝らなくてはいけないのかもしれない…。